シード獲得かQTか?瀬戸際の豊永志帆が3位発進
今週の「大王製紙エリエールレディスオープン」が、フルフィールドでの今季最終戦。賞金ランキング上位50位以内(永久シードの不動裕理を除くので、実際は51位)が、翌年のシード権を獲得できるとあって、ライン前後の選手たちは毎年、競争相手を気にしながらのシビアな戦いを要求される。
そんな中で迎えた大会初日、首位と3打差の3位タイという好スタートを決めた豊永志帆は、現在の賞金ランキングは56位。51位の野村敏京を逆転するためには、今大会で単独4位以上というのが最低条件になっている。
「練習ラウンドのときから、単独4位以上じゃないとシードに入れないのは分かっていたけど、今年はまだ1桁(10位以内)がないので、それを目指してやっています」と豊永。「初日としては、まずまずだと思います」と、納得の表情で振り返った。
ドライバーショットが悪かったという先週の反省を活かし、今週は「方向性重視」の戦略に変えた。「あまり振りすぎずに抑え気味で。7割くらい(の力加減)です」というこの日、ラフに入れたのは2回だけ。その内1回もほとんどフェアウェイで「曲がったのは1つくらい」と、この作戦が奏功した。
豊永にとっては、シードと合わせて気になるのがQTのこと。次週がサードQTで、その翌週がファイナルQTだが、ファイナルの出場資格に「2012年度『大王製紙エリエールレディス』終了時点のLPGAマネーランキングシード選手の次点者で、複数年シード選手を除く上位5名の者」という項目がある。現在のランキングでいうと、56位がちょうどこのサード免除の有資格なのだ。
「今週、予選落ちならサードから行かないといけないと思うので、絶対に予選は通らないといけないと思っていたので、取りあえず安心しています」。
反対に上を向けば、豊永が憧れて、年に数回はYouTubeでスイング動画を見ているという全美貞と初めて一緒に回れる機会もすぐそこにある。下を気にしつつ、上を見る。ここでは、毎年恒例の戦いが繰り広げられている。(福島県いわき市/今岡涼太)