国内女子ツアー

形の違う愛情。藍、さくらを見つめる父の開幕戦【GDOコラム】

2005/03/06 18:00

ダイキンオーキッドレディスゴルフトーナメント 最終日

試合前に藍のスイングをチェックする父・優氏。「海外遠征後さらにスイングが良くなった」と語った

昨年の日本女子オープン以来、約半年ぶりに娘の試合を見にきた宮里藍の父・優さん。「長期海外遠征の間にスイングがさらに良くなっている。特に今から指導することはないです」と練習日の優さんは終始にこやか。ワールドカップ優勝という偉業を成し遂げた娘のさらなる成長ぶりに大きな期待をしているようだった。

ところが初日から3オーバーの22位タイと苦しい展開。雨、風、寒さと最悪のコンディションとなった2日目も3つスコアを落としてしまった。「沖縄育ちの藍に、この寒さは応えたのかもしれません」と残念そうだったが、「風の影響もありタテの距離が微妙に合ってませんね。さらにパッティングもショートが多くかみ合っていない。ただし、ショットは良いので明日は巻き返せるでしょう」。その期待も叶わず、最終日も不調が続き10オーバーの27位タイでホールアウト。「パッティングを少し調整してやります」と初めて問題点を指摘してくれた。

次の試合となる米国女子ツアーのメジャー戦「クラフトナビスコチャンピオンシップ」でも優さんは観戦予定だという。「調子に問題がなければ練習日だけ見て帰ってくるつもりです。私も忙しいから(笑)」。藍の活躍に一喜一憂をしつつも、藍のゴルフに必要以上の口出しをするつもりはないようだ。

2日間、さくらとキャディの本仮屋に「コースマネージメントがなっていない」と指摘した父・良郎氏

一方、期待どおり?のお騒がせを演じてくれたのは横峯親子。2日目終了後、8オーバーと振るわないさくらに「コースマネージメントが悪すぎる。最終日は俺にキャディをやらせろ」。一方さくらは「絶対やらせない」ときっぱり。多くの視線があるのにも関わらず約20分あつい親子ケンカを演じた。「パープレー以内で必ずラウンドする」と啖呵を切って最終ラウンドに臨んださくらだったが、公約を果たせず最終日は1オーバー。しかし、ラウンド後の父は報道陣に対し「今日のラウンドの中でマネージメントにミスはなかった。完璧」。

「お父さん、さくらちゃんをあんまりいじめちゃだめだよ」とギャラリーからしかられるシーンも見られるほど、悪役?を演じてきた父・良郎さん。最終日のさくらは18番でダブルボギーをたたいてしまったが、悪コンディションの中17番までは1アンダーでラウンドする健闘を見せた。「今日は初日、2日目にお父さんに指摘されたことを注意しながらラウンドし、マネージメントはほぼ完璧です」とさくら。ホールアウト直後で、まだ言葉を交わしているはずもないのに父娘は同じ内容の発言をした。

必要最小限のことしか言わない優さん。報道陣の前で公開親子ケンカまでやってのけた良郎さん。愛情表現は違うが、父の存在が2人の活躍を大きく支えていることは言うまでもない。