未勝利の41歳・山下和宏 10度目の「最終日最終組」をかく戦う
◎パッティングが好調
国内男子ツアー「関西オープンゴルフ選手権競技」3日目、1打差2位から出た山下和宏が8バーディ2ボギーの「65」をマークし、通算14アンダーの単独首位に浮上した。プロ転向から苦節17年、今季は2位が2度と惜敗が続く41歳が、悲願のツアー初優勝に今度こその王手をかけた。
単独首位で最終日を迎えるのは、2011年のメジャー戦「日本ゴルフツアー選手権」以来2度目。そして明日は、実に10度目の最終日最終組からのプレーとなる。「パターがすごく良い」と、3日間トータルの平均パット数(1.5789)が全体2位を記録するパッティングの好感触に山下は手応えを感じている。
この日もパット数は「26」に抑えた。後半16番では、左奥7mを真ん中からカップインし、単独首位へとつなげる8個目のバーディ。昨年10月の「日本オープン」から試したクロウグリップは「思ったところに打てているし、スピード感も良い」と、今では完全なフィットを見せ、安定感がある。
今回と同様に1打差リードの単独首位で3日目を終えた2011年「日本ゴルフツアー選手権」では、最終日に「77」と崩れて終わってみれば15位まで後退。「あのときの僕とは違う。パットが一番、違いますね」と言い切り、当時とは違う自信を強調した。
「あのときは虎かライオンに囲まれた感じだったけれど、今は相手にケガをさせるくらいの勝負はできるんじゃないかと」
これまでとの“違い”は、9度目の最終日最終組だった今季開幕戦「東建ホームメイトカップ」でも現れていた。優勝には1打足らなかったものの、9度目の最終日最終組にして初となる60台をマーク。最後まで全力を出し切れた充実感は、敗れた悔しさに勝るものだったという。惜敗を重ねる中で、悲願の瞬間への距離を少しずつ、確かに縮めてきた実感がある。
「僕が逃げられれば、相手は追いつけない。(通算)20アンダーを目指して頑張ります」。地元大阪府からほど近い、関西圏でのホーム大会。舞台の名神八日市カントリー倶楽部は、オフに練習の場を提供してもらった恩義あるコースでもある。悲願を果たすには、もってこいの場所だ。(滋賀県東近江市/塚田達也)