バッバ、ダントツの平均飛距離を記録 獲得賞金は寄付へ
静岡県の太平洋クラブ御殿場コースで開催された「三井住友VISA太平洋マスターズ」。バッバ・ワトソンは2アンダー24位タイからスタートした最終日、4バーディ、1ボギー、1ダブルボギーの「71」で回り、通算3アンダーの24位タイで9年ぶりに参戦した日本ツアーに別れを告げた。
2ダブルボギーを含む3日目の「77」で優勝争いからは脱落。トップと8打差から出たレフティは序盤4番(パー3)で左手前から5mを沈めてバーディを先行させたが、9番のボギーで後退し、後半インは3連続バーディで盛り返した直後の14番でダブルボギー。「バーディを獲りに行こうと思い、短いクラブで打った」という7Iでの第2打は距離を出せずグリーン手前の池に入れた。
「初日は良かったけれど、残りの3日間はパットも決まらず、風にも苦しんだ」。最終18番(パー5)は2オンに成功しながら3パットのパーフィニッシュ。大声援でグリーンを降りた表情には苦笑いが混じった。
4日間のギャラリー21384人は、世界一の飛距離とテクニックに酔いしれた。ドライビングディスタンスは平均311.88yd(各ラウンド指定2ホールで測定)で堂々の全体1位。2位の塚田陽亮には実に8yd差をつけた。グローブやヘッドカバー、そしてピンクの1Wも、すべて売り上げの一部がチャリティにつながっている。だがファンの声援に応え、驚かせるためにボールを遠くへ飛ばすことはない。「僕は勝つために1Wを選んでいるだけだ」。世界中を熱狂させるプレーを披露して得た獲得賞金126万円は、日本ゴルフツアー機構を通じてジュニア育成基金に寄付をする。
米国に帰国後はオフをとり、12月にタイガー・ウッズのホスト大会「ヒーローワールドチャレンジ」、アジアンツアーの「タイランド選手権」に出場予定。「最高のコースだった。敬意を持って声援を送ってくれたことに感謝している。またスケジュールが合えば、戻ってきたい」と約束した。(静岡県御殿場市/桂川洋一)