2014年 日本オープンゴルフ選手権競技

池田勇太 耐えに耐えてメジャー制覇 現役会長22年ぶりV

2014/10/19 18:43
耐えて耐えて…2度目のメジャー制覇を達成した池田勇太。ウィニングパットを決め満面の笑みを浮かべた

千葉県の千葉カントリークラブ梅郷コースで開催された国内男子メジャー「日本オープン選手権競技」。池田勇太が2014年の“ゴルファー日本一”の称号を手に入れた。2バーディ、2ボギー、1ダブルボギーの「72」(パー70)とスコアを落としたが、前日からの単独首位の座を守りきり、今季初勝利、ツアー通算12勝目を飾った。

メジャーのサンデーバックナインは、我慢の連続だった。第2打をピンそば50cmにつけた11番、花道からチップインさせた12番で2連続バーディを決め、同じ最終組を回った片山晋呉に4打差をつけた池田。試練はそこからだった。

最難関の14番でボギーを叩くと、16番(パー3)ではティショットを奥のバンカーへ。左足下がりのライからはピン方向を狙えず、ボールはグリーンエッジとラフの境目まで転がり、3打目のアプローチもオーバーさせて痛いダブルボギーを叩いた。

しかし片山に1打差に迫られて迎えた上がり2ホール。「ダボを叩いても冷静に判断できた」という。いずれもパーオンに成功して2パットパーをセーブ。「(前日までの)3日間、いい感じで回れていた。耐えなければいけない日が1日はある中、それが今日になったんだと思う」。通算27勝の名手の追い上げに動じず、18番グリーンで歓喜の時を迎えた。

2009年の国内メジャー「日本プロ選手権 日清カップ」でツアー初勝利。「初優勝がメジャーだったから、あまりメジャーで優勝をしたいという感じは、これまでなんとなくなかった。でもいまはメジャーで勝つとこういう気持ちになるんだと思える」。昨シーズンから日本ゴルフツアー機構選手会の現役選手会長。2足のわらじを履いてメジャーを制したのは1992年「日本プロ選手権」を制した倉本昌弘以来2人目となった。

また、6シーズン連続でツアー優勝を達成したことになる。継続中の記録としては最も長い(最長は1986年~2000年の尾崎将司の15季連続)。

最終ラウンドのプレーの合間にも笑顔を見せ、満面の笑みで賜杯を掲げた。涙を必死にこらえ、言葉に詰まったのは優勝インタビューの時だけ。「1か月くらい前、(福田央)キャディが『日本オープンで勝ちたい』って酒の席で言って…」。プロ転向直後からの相棒との苦労を思い浮かべると、熱いものがこみ上げた。

次週は自身が“メジャー”と位置付ける「ブリヂストンオープン」。その翌週は連覇がかかる「マイナビABCチャンピオンシップ」となる。賞金ランキングは4位に浮上。名実ともに日本ツアーのナンバーワン選手にステップアップする日が近づいている。(千葉県野田市/桂川洋一)

2014年 日本オープンゴルフ選手権競技