先輩・小林正則も初メジャーへ3打差を追う
茨城県の茨城ゴルフ倶楽部 東コースで開催中の国内メジャー今季第3戦「日本オープンゴルフ選手権競技」は3日目を終えて通算9アンダーとした小田孔明が単独首位に浮上した。3打差で続いたのはツアー2勝の小林正則。小田と同じくメジャー初制覇を狙う存在だ。
初日から3日連続の「69」で通算6アンダー。「出来すぎです」「意外です」「運もあった」。小林は毎日、慎重な言葉ばかりを並べながら、静かにビッグタイトル獲得への道を歩んできた。5位タイで迎えた3日目は8番で10メートルのバーディパットを沈め、13番(パー3)では8番アイアンでのティショットをピンそば1メートルに絡めるなど、中盤にスコアを伸ばして最終日最終組に滑り込んだ。
2011年の「とおとうみ浜松オープン」で石川遼とのプレーオフを制してツアー初勝利。昨年は「アジアパシフィック パナソニックオープン」で2勝目を挙げた。だがメジャーでの優勝争いには縁がなく、今季に関してはいまだ賞金ランク67位と低迷中でもある。
しかし、悩みのタネだったパッティングに「夏ごろからよくなってきた」と手応えを感じている。アジア、欧州ツアーへのスポット参戦を経て、9月からクロスハンドグリップにチェンジ。また、足元もクローズスタンスにした。同じ打ち方で、グリーン上で勝負する塚田好宣とは、同じくアジアンツアーへの参戦も盛んな仲。今大会の予選ラウンド2日間を、同組でプレーしたのも何かの縁かもしれない。
抜群の飛距離性能を誇る186センチの大砲は37歳。「孔明が走っているし。自分のゴルフをして、それで結果が付いてこなければ仕方がない。もう一回“69”が出たら大満足」と、この日も謙虚な姿勢を貫いた。小田は東京学館浦安高の後輩にあたる。先輩の意地を、ここで見せてもいいはずだ。(茨城県つくばみらい市/桂川洋一)