昨年覇者の藤田寛之 今季初勝利を狙う
2013/09/18 17:39
昨年の「ANAオープン」優勝は、藤田寛之の初の賞金王戴冠に向け、大きな弾みとなった。最終日のバックナインで2打差をつけられていたキム・ヒョンソン(韓国)を逆転し、シーズン3勝目。2002年大会では尾崎将司に敗れ、涙をのんだ札幌ゴルフ倶楽部 輪厚コースで、そうそうたる歴代王者の中に名を連ねた。そしてその後も勢いは止まらず、最終戦の「日本シリーズJTカップ」を3連覇。北の大地での一戦が、シーズンを大きく左右したことは疑いようがない。
しかし今年、藤田は昨年の目論み通りに4大メジャーに出場したが、結果を出せずに、国内ツアーでもいまだ勝利が無いまま。出場10試合のうち、トップ10入り3度で、賞金ランキングは14位と上位にいるが、予選落ちも5試合と調子が上がらない。
「去年はこのあたりで世界ランク(50位以内入り)を意識しながら『もう1勝』したいと思っていたら、ここで勝てた。(富士山で表現すると)8合目を上っていたかなと思う。でも今年は3、4合目と言ったところ」。
しかし、2週前の「フジサンケイクラシック」では師匠の芹澤信雄に付きっきりで直接指導を受けた。フォローでクラブを左に振り抜くことを強く意識し、スイングを修正。前週のオープンウィークはその再現練習を繰り返してきたところ。それゆえ「今週は実戦で。“お試しチャンス”がやってきた」と試行錯誤を続けている。
「もう“ひと頑張り”どころじゃ足りない。たくさんの後押しがあるから、とにかく頑張りたい」と藤田。大きな手ごたえをつかんだ場所で、もう一度、再起のきっかけをつかみたい。(北海道北広島市/桂川洋一)