遅れて来た韓国“最強世代”パクの大志
2013/09/01 17:09
福岡県の芥屋ゴルフ倶楽部で開催された国内男子ツアー「VanaH杯KBCオーガスタゴルフトーナメント」で、韓国のS.J.パクが初勝利を飾った。9アンダーの首位タイから出ると、4バーディ、1ボギーの「69」で回り、通算12アンダーとして後続を振り切った。
最終組の3人が同スコアで並んでスタートした最終ラウンド。冨山聡、藤本佳則がボギー先行となる中、パクは11番までに3バーディを奪い、2ストローク以上のリードを持って終盤を迎えた。すると15番、16番といずれも2メートル弱のパーパットを沈める勝負強さを発揮。リーダーズボードはほとんど見ずに、最後まで自身のプレーだけに集中。ホールアウト直後も「4つもバーディ獲りましたっけ?」と口にするほどだった。
さすがに、ウィニングパットの瞬間は「先輩やスポンサーのみなさんの顔が浮かんできました」という。日本ツアー参戦4年目。1986年生まれの同い年で、アマチュア時代に競り合ったキム・キョンテ、ベ・サンムンが快調に勝利を重ねた一方で、悲哀を味わってきた。昨年末にはQTも経験した。
しかし「仲間の成功を嫉妬しても仕方がない。『おめでとう』という言葉は、きっといつか自分に返ってくるもの」と我慢を続けた。今シーズンの国内開幕戦「東建ホームメイトカップ」を7位で滑り出すと、「ダイヤモンドカップゴルフ」2位、「日本ゴルフツアー選手権 Shishido Hills」は4位。そして前週「関西オープンゴルフ選手権競技」で2位と、好成績を続けていた。初勝利は、時間の問題と言って良かった。
小学生の時、ニュージーランドでゴルフを覚えたこともあり、英会話が堪能。「将来はPGAツアーに参戦したい」という大志を抱く。韓国“最強世代”の新たな星が輝いた。(福岡県糸島市/桂川洋一)