石川遼のドライバーショットの特徴は?/数字で見る日本オープン<1>
2012年の「日本オープンゴルフ選手権競技」が11日(木)、沖縄県の那覇ゴルフ倶楽部で開幕した。その年の“日本一のゴルファー”の称号を争うメジャー競技。今大会は、プレーヤーのヘッドスピードをはじめとしたショットデータの計測機器「トラックマンシステム」などをツアートーナメントに導入している株式会社ビジョンテクノネットの協力により、選手のスイングデータから日本オープンでの戦いを紐解いていく。
今年の日本オープンで「トラックマン」による計測が行われているのは16番ホール。通常営業ではパー5だが、467ヤードと距離が短いこともあり、パー4に設定。ほとんどの選手がドライバーでティショットを放っている。
ところが、このホールにおいて厄介なのがコースのレイアウトと風の関係性だ。この日はティの左後方から強いフォローの風が吹いた。その一方で着地エリアのフェアウェイが左にドッグレッグしており、なおかつ地面が非常に硬い。そのためフェアウェイに着弾しても、結果的に右サイドのバンカー、ラフへ転がってしまうケースが非常に多かった。
また、2段グリーンも硬く仕上がっており、第2打をフェアウェイから打てなければグリーン上でボールを止める事は困難。フェアウェイキープが重要にあるにもかかわらず、その可能性は低い。結果的に同ホールはこの日の6番目の難易度(平均スコア4.649、難易度1位は9番パー4で4.965)となった。
この16番で初日、最も飛距離を稼ぐショットデータを見せたのは永野竜太郎で、344.8ヤードのビッグドライブを記録。ヘッドスピードは51.3m/sだった。しかしながら、永野の弾道はキャリーで308.6ヤード。では、この日、キャリーで長距離を飛ばした選手はというと、トップがブレンダン・ジョーンズで、2位が石川遼だった(なお、計測したジョーンズの第1打はOBになった)。
しかし両者を比較すると、ジョーンズはトータルディスタンスでは永野に続く2位で344.2ヤードながら、石川は332.4ヤードで同14位に後退する。つまり、石川のドライバーショットは、ランを抑え、キャリーでピンポイントにコントロールできる特長がある。ファーストバウンドで、狭いフェアウェイを確実にとらえられれば、他選手よりもラフに転がってしまう“不運に見舞われる”可能性も低いのかもしれない。