【GDO EYE】「打倒、遼くんだね!」小山内護、涙の復活劇
2010/07/25 18:10
「信じられないですよ、ぶっちゃけ」。昨年5月に左ひじを痛め、98年から守り続けてきたシード権を喪失。昨年末の最終予選会も上位に届かず、今シーズンのツアー出場権を失っている小山内護(40)が、今季初出場の「セガサミーカップ」で4年ぶりの優勝を手にした。
今週はマンデートーナメントを突破しての出場権獲得。マンデーを勝ち抜いて優勝したのは、2004年に井上信が記録して以来6年ぶり5人目。さらにシーズン初出場での勝利者は、ツアー史上初めての出来事だ。
「今年初めての試合で優勝できるとは思っていませんでした」という言葉とともに溢れ出た涙が、これまでの苦労を物語っていた。今年はチャレンジツアーが主戦場。試合数も少なく、これまで体験したことのない空白の時間は自宅でDVDを見ながら過ごしていたという。「ゴルフはもうダメなんじゃないか」。「違う仕事をしようかな」。ネガティブな事ばかりが頭に浮かんでは消えた。そして、ようやく巡ってきたレギュラーツアー出場のチャンス。「去年みたいに仲間と夜に毎晩ゴハンを食べて、やっぱりいいな、と思った」。18番グリーンサイドでは、平塚、井上、久保谷ら、その仲間たちと共に歓喜に沸いた。
「いつも試合に出場していた今までとは、気持ちがぜんぜん違った。1試合の重さをすごく感じた1週間だったし、この場所にいる幸せをすごく感じました」。もしも昨年シードを獲得していたと仮定し、「今の気持ちになるまで、あと5年はかかってたと思う。遠回りをしたけど、色々な経験ができました」と、かつて無いどん底から、かつて無い眩い光を見出した。そして、今後の目標を聞かれて満面の笑顔で即答した。「打倒、遼くんだね。40歳、頑張るよ!」。(編集部:塚田達也)