2023年 パナソニックオープン

1歳半の息子へ“パパ”奮闘中 小浦和也が追う後輩の背中

2023/09/23 18:48
30歳の小浦和也が初優勝に向けて前進した

◇国内男子◇パナソニックオープンゴルフチャンピオンシップ 3日目(23日)◇小野東洋GC(兵庫)◇7113yd(パー72)◇晴れ(観衆1945人)

30歳の小浦和也は大会3日目、同組で回った5歳下の金谷拓実の姿を必死に追いかけたという。「きょうはもう金谷くんについていこうと。やっぱりすごい勉強になったし、負けないように一生懸命でした」。金谷とは2013年から14年に在籍したナショナルチームで一緒になり、長い付き合いになる。

金谷はスコアを3つしか伸ばせずに「69」となったが、プレー姿に感化された小浦は7バーディ、1ボギーの「66」。首位と3打差の通算13アンダー6位につけた。

地元宮崎の日章学園高から専修大に進み、大学2年時に「朝日杯日本学生」で松山英樹と競り合い優勝。2013年、14年と「日本オープン」史上7人目の2年連続ローアマにも輝いた経歴の持ち主だ。

大会のイベントに参加した子どもにも笑顔の対応したパパゴルファー

金谷がツアー5勝を挙げる一方で、小浦は昨季のQT(予選会)で13位に入り今季レギュラーツアーに復帰。「ASO飯塚チャレンジド」で6位になるなど初優勝に向けて奮闘している身だ。「今週はできなかったけど、よく金谷くんには練習ラウンドを一緒にお願いして。来週もお願いしています」とラウンドをよくともにしている。

前週の「ANAオープン」も「僕がナンパして」と練習ラウンドをプレー。金谷に質問するのではなく、プレースタイルを見て学ぶことが多いと言う。「7番アイアンだったらほぼピンを狙っていくとか。僕は結構安全を考えがちだけど、ピンを狙っていけるときはいかないと、優勝は狙っていけないんだなって。やっぱり見ているところが違うし、基本的に考えているレベルが高い。金谷くんみたいなマインドでやらないと」と後輩の姿勢は参考になる。

組に着いたギャラリーからも力をもらった。「『ナイス』という声も力になりました。自分の応援団だと思ったりして」と、7番ではピンそば3m弱につけたのを沈めてバーディ。8番(パー3)はピンを刺すショットで1mに寄せ、9番は6m弱を沈めて3連続バーディにした。10番のティショットは左に曲げるも、パーセーブできたことが後半でも3つ伸ばした流れにつながった。

家で帰りを待つ、自分だけの応援団も力の源だ。転戦生活でなかなか会えない1歳半の息子との、1日10分のビデオ通話が貴重な時間。「かわいいけど会えない。試合に出ていることは良いことなんですけど。忘れられないようにテレビに映らないと」。応援してくれている家族のためにも、頑張る“パパ”の姿を届けたい。(兵庫県小野市/石井操)

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