半減したポイントに“納得感” 世界ランキング新方式に選手の反応は
◇国内男子◇Sansan KBCオーガスタゴルフトーナメント 事前情報(24日)◇芥屋GC(福岡)◇7191yd(パー72)
男子世界ランキングの算出方法が8月14日から新システムに切り替わり、前週の「長嶋茂雄招待セガサミーカップ」を終えて、新システム下ではじめて日本ツアーのポイントが加算された。
変更にともなって日本ツアーの加算ポイントの減少が予想されていたとおり、同大会で優勝した岩田寛に付与されたのは、これまでの半減となる7.61922pt。新システムでは、これまで設定されていた各国トップツアーの優勝者に与えられる最低ポイント(日本は16pt)が撤廃された。選手の強さや各大会でのスコアなどに基づいて決定されるため、米ツアーとのポイント差は大きくなる。ランキングを足掛かりに海外進出を目指す選手には厳しい条件となるが、「意外と、これが実際の数字なのかなと思います」と石川遼は話す。
石川自身も、これまで世界ランクをきっかけに米ツアー参戦のチャンスをつかんできたが、順位に違和感を覚えることもあった。「(米国で)自分より順位が低い選手のゴルフを見て、全然うまいと思うこともあった。米国で戦ってランキング上位にいるのは本当に難しい」と語る。「世界ランキングが“ひとり歩き”している感覚があった。日本では厳しい条件になるかもしれないけど、頑張って100位以内に入る価値は上がる」と、米ツアーへの“出場権獲得ライン”としての意味合いが強かった世界ランクが、純粋に実力を測る指標により近づいたと感じていた。
「悔しかったら、そっち(海外)に行ってランキングを上げることを目指すしかない」と話すのは金谷拓実。世界ランク上位50位の資格から米ツアースポット参戦のチャンスをつかむなど、今季は9試合に出場。2度のトップ10入りを果たしたが、7試合で予選落ちと悔しい経験もした。「ランキングは高かったから申し訳ない気持ちもあった。でも、それぐらい米国との差は離れていると感じました」と振り返る。
今季は秋口に推薦などで欧州ツアー参戦を目指しつつ、10月上旬にはイギリスで行われる欧州ツアー予選会のファーストステージ参戦を視野に入れている。
拡がった海外とのポイント差は、若手選手が海外挑戦に目を向ける後押しにもなる。賞金ランク2位の桂川有人は米下部ツアー予選会挑戦を明言。大西魁斗、久常涼、岩崎亜久竜、香妻陣一朗らは今秋の欧州ツアー予選会にエントリーしている。
「日本人選手がメジャーに出る確率は減るかもしれないけど、その分出られる人の価値は高まる」と石川。世界ランクの算出システム改定で、日本ツアーの今後の真価が問われることになりそうだ。(福岡県糸島市/谷口愛純)