ドバイか日本か 悩み抜いた杉原大河と米澤蓮の“アマ最終戦”
◇国内男子◇三井住友VISA太平洋マスターズ 2日目(12日)◇太平洋クラブ御殿場コース(静岡)◇7262yd(パー70)
アラブ首長国連邦から届いた中島啓太(日体大)の「アジアアマ」制覇という快挙の一報。日本でインターネット中継にかじりついた杉原大河と米澤蓮(ともに東北福祉大)の2人も、ドバイで中島とタイトルを争っている可能性があった。
大学卒業を控え、来年からプロゴルファーとしてのキャリアをスタートさせる予定の2人には、国内ツアーの予選会(QT)が迫る。帰国後の自主隔離期間を考慮し、悩み抜いた末に日本に残ることを決めた。
杉原が「啓太なら、ある意味勝って当然くらいの実力がある。さすがです」と言えば、米澤も「プレーオフに残った時点で勝つだろうな、と。ホントに勝負強い選手なので。あのプレーを見せられたら、僕が行っても優勝できなかっただろうなって思います」と笑う。海の向こうから大きな刺激を受け取り、今週アマチュアとしての最終戦に臨んでいる。
フォローの風が吹く最終18番(パー5)、残り167ydからPWで2.5mに絡めてイーグルフィニッシュを決めた杉原は通算2アンダーで、首位と2打差の5位。「耐えていた中で神様がご褒美をくれたのかな。あしたからも難しいコンディションが続く。自分を信じて、それがいい結果につながってくれれば」と冷静に言った。
米澤は18番で2日続けて池につかまりながら、寄せワンでしのいだ。「66」は谷原秀人と並ぶこの日ベストスコア。トータル1アンダーで3打差9位とこちらも好位置につける。グリーン上の不調に苦しみ「途方に暮れていた」という1年。開幕前日にパターヘッドのウェートを替えて10gほど重くしたことが奏功した。
「いいプレーをしていければ、まだ分からない位置にいる。悔いのないプレーができれば」。松山英樹、金谷拓実と東北福祉大勢がアマチュア優勝を飾ってきた舞台。アマとして有終の美を飾るべく意気込む後輩が続いても、不思議ではない。(静岡県御殿場市/亀山泰宏)