2021年 セガサミーカップ

アームロックは“卒業” 2打差2位に2勝目狙う比嘉一貴

2021/08/21 17:02
比嘉一貴(左)はパッティングの不調を乗り越えて優勝争い

◇国内男子◇長嶋茂雄招待セガサミーカップ 3日目(21日)◇ザ・ノースカントリーGC(北海道)◇7178yd(パー72)

「最後、殺されかけました」。単独首位で終えた上井邦裕がヒヤリとした。最終18番(パー5)、同組の比嘉一貴の5Wでの第2打は右斜め前方に飛び、リーダーの近くをかすめてブッシュに突っ込んだ。「力んだのか…。ヒールトップ。アイアンだったらシャンクです」という思わぬミスがありながら、なんとかパーセーブ。同じトップから出て2打差をつけられた相手に「ちょっと“狙っていた”部分もあります」とジョークで宣戦布告だ。

本来は2年前の前回大会で初優勝を挙げた、次週の「Sansan KBCオーガスタ」(福岡・芥屋GC)に照準を合わせていたつもりだった。「“本番”は来週からという感じだったんですけど。今週のグリーンはベント芝、来週は高麗芝…。他の選手を見ていると、だいたいベントで良いと高麗で悪かったりするので。不安要素のほうが大きくなってきた」と苦笑いする。

とはいえ今週、そつのないグリーン上のプレーは今春の取り組みが実を結んだものでもある。4月の「関西オープン」会場で、同期の選手が使っていた中尺パターを試しに借りると、これが驚くほどフィット。同大会はキャディを起用せず、ひとりバッグを担ぎながらプレーして研究した。

グリップ部分を腕につけて打つ「アームロック」スタイルで数試合、パッティングストロークを矯正。直近の7月「日本プロゴルフ選手権」から通常の長さのパターに戻した。ちなみに上井も、5月の「ミズノオープン」から、同じ中尺モデルを握っているから不思議な縁だ。

2位に後退したが、「アイアンの距離感がまだまだだけど、そこまで大きなミスはなく淡々とプレーできた。上井さんのプレーに引っ張っていってもらった」と最終日も最終組に入った。2勝目のチャンスをじっくりとうかがう。(北海道千歳市/桂川洋一)

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