下部ツアーでアマ優勝 杉原“タイガー”の競争心
◇国内男子◇カシオワールドオープン 初日(28日)◇Kochi黒潮カントリークラブ(高知)◇7335yd(パー72)
21歳の金谷拓実(東北福祉大3年)がアマチュアにしてツアー優勝を飾ったのが、2週前の「三井住友VISA太平洋マスターズ」。1973年のツアー制施行後、史上4人目の快挙を遂げた。その約1カ月前には、下部AbemaTVツアーで史上3人目のアマ王者が誕生。杉原大河(すぎはら・たいが)も、同じ東北福祉大に通う2年生だ。
ゴルフ好きの父から授かった名前は、タイガー・ウッズに由来する。5歳でクラブを握り、ジュニア時代から飛ばし屋として鳴らしてきた。現在は平均300ydという1Wショットが一番の特長。4バーディ、ノーボギー「68」で回った初日のドライビングディスタンスは全体8位と「このコースは僕の武器を最大限に生かせる」と持ち味を発揮した。
前週には福岡で開催された「文部科学大臣杯争奪第38回日本学生ゴルフ王座決定戦」で優勝した。マッチプレーで争われる決勝ラウンドで、準々決勝で敗退した金谷との対戦はなかった。「当たったらマズイな…と思っていました」と正直だ。「でも、ベスト16に残ったのはすごい人たちばかり。その中で勝てたのはうれしかった」。昨年、金谷らとともにアジア大会の団体戦で金メダルを獲得した米澤蓮は同じ大学の同級生。「僕なりにライバル心は持っている。負けたくないですね」と刺激が至るところにある。
プロの大会で優勝しても、シーズン中は仲間内を含めて“祝勝会”は開かれていないそう。「金谷さんが(三井住友VISA太平洋マスターズで)優勝しても、誰も驚かなかった。優勝してもおかしくないくらいの実力の持ち主。自分はまだまだ、到底追いついていない。できれば、この試合で近づけるように頑張りたい」と競争の日々が続いている。(高知県芸西村/桂川洋一)