進む“海外”戦略? モリナリがウッズに続きGOLFTVと契約
米ディスカバリーが運営するゴルフ専門インターネットチャンネル「GOLFTV」は17日(水)、2018年の「全英オープン」王者フランチェスコ・モリナリ(イタリア)と独占的なグローバルコンテンツ契約を結んだと発表した。
同社は昨年10月、12年間20億ドル(約2200億円)でPGAツアーと「米国外」での放映権に関する契約を交わした。さらに「GOLFTV」とタイガー・ウッズが長期のパートナーシップ契約を締結し、独占インタビューなどの密着映像を放送している。今後はモリナリについても撮影を進め、知られざるバックヤードの映像や練習の様子を追ったレッスンコンテンツも展開する考えだ。
「GOLFTV」は今年、PGAツアーの各大会のインターネット中継を開始した。視聴可能な国を段階的に増やす方針で、初年度の2019年は日本を含め20の国と地域で放送を楽しめるようになった。その中にはイタリアも含まれている。
モリナリは3月の「アーノルド・パーマー招待」で優勝した際、「GOLFTV」を通じ母国で放送されたイタリア語の実況、解説を聞き「本当に驚いた」とプレスリリースで明かした。
イタリアでゴルフは長く“マイナースポーツ”と言えたが、昨年モリナリがメジャー初タイトルをもたらし、前週の「マスターズ」でも最終日最終組を回ってグリーンジャケットまであと一歩という活躍を見せた。スター選手の存在は市場開拓にうってつけ。ディスカバリー、PGAツアーにしてみれば、今こそ同国でファンを増やす絶好の機会に違いない。
今月上旬、ディスカバリーの最高経営責任者デイビット・ザスラフ氏は米スポーツビジネス・デイリーに対し、ウッズのエキシビションマッチを今秋に東京で行う構想を明かしたばかり。今後、さらに別のグローバル選手との契約があっても不思議ではない。“米国から見た海外”で、インターネットコンテンツを通じたマーケット戦略が加速しそうだ。(編集部・桂川洋一)
■ 桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール
1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw