標高2300m以上 メキシコシティの“飛距離”にどう対応する?
◇米国男子◇WGCメキシコ選手権 事前情報(1日)◇チャプルテペクGC(メキシコ)◇7330yd(パー71)
メキシコ合衆国の首都、メキシコシティへと舞台を移して行われる今季のWGC第2戦「WGCメキシコ選手権」。初のメキシコ開催ということだけでなく、コースが富士山の6合目に匹敵する2300m以上の高地にあるということで、選手たちを悩ませている問題がある。気圧が低く、空気が温暖で乾燥していることもあり、通常よりも飛距離が出るのだ。果たして選手たちはどう対応しているのだろう?
多くの選手たちが練習場に弾道測定器・トラックマンを持ち込んでデータ計測に余念がない。世界ランク1位のダスティン・ジョンソンは「PWの普通のショットで144yd。ちょっと強めに打って球を上げると180ydは飛ぶ」という。
ジョンソンは通常との差を15%(飛ぶ)というが、「球の高さにもよるけど、ウェッジだと10%くらい。でも、PWや9Iになると、すぐに15%になる」と番手毎に差があることも指摘している。
以前、コロンビアのボゴタ(標高約2640m)でプレーしたことがあるというジョーダン・スピースは「ほぼ同じ高度だけど、こっちの方が球は飛ぶ。235ydのパー3で5Iを打ったら、あまり良い当たりではなかったけど、キャリーで235ydあった」という。
今季3勝を挙げているジャスティン・トーマスは、自身のインスタグラムにトラックマンのデータをアップした。1Wでキャリーが355.9yd。ランも入れたトータルで383.8ydという驚愕の数値をたたき出している。ちなみに、トーマスの今季の平均飛距離は308.2ydなので、ざっと25%増の計算だ。
松山英樹はその差を13%か15%かで計算している。とはいえ、200ydのショットで2%の誤差は4ydになる。ベタピンのつもりが、3.5mのパットが残ると考えると、小さくはない差だろう。加藤大幸キャディは、当初は5yd刻みで作ろうと考えていた実際の距離と13%、15%を計算した換算表を、60ydから300ydくらいまで、1yd刻みで用意するつもりだという。
いずれにせよ、今週はショットがピンそばにからまなくても、ちょっと大目に見てあげよう。(メキシコ・メキシコシティ/今岡涼太)
■ 今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール
1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka