2016年 アーノルド・パーマー招待

韓国のリオ五輪代表争いは男子もオモシロい

2016/03/19 09:00
チェ・キョンジュは世界ランクで韓国勢3番手の105位につける(Sam Greenwood/Getty Images)

「代打、オレ」のセリフは、プロ野球界で“選手兼任監督”を指すフレーズとして広く知られている。最近では名の知れたベテラン選手がコーチ兼任となるケースも多いが、韓国ゴルフのレジェンド、チェ・キョンジュが今年のリオデジャネイロ五輪で似た役割を担う可能性が出ている。

韓国ゴルフ協会は今年1月、リオでの男女代表チームのヘッドコーチにそれぞれ、チェと朴セリを据えた。日本代表チームの丸山茂樹ヘッドコーチと同様、米ツアーで複数回優勝した草分け的存在だ。

ただ、17日に今季限りでの現役引退を発表した朴、故障で試合から遠ざかっている丸山と違うのが、チェは現在も米国の第一線で戦うプレーヤーだということ。2011年の「ザ・プレーヤーズ選手権」を含む通算8勝。今季は既にトップ5に2回入り、今週の「アーノルド・パーマー招待」は通算6アンダーの11位タイで決勝ラウンドに進んだ。

世界ランキングに基づくオリンピックランキングで決まる五輪代表は、韓国女子チームの枠は4つ、男子は2つとみられている。男子は、欧州ツアーを中心に活躍する世界ランク30位のアン・ビョンフンに次ぐ選手が問題だ。

現段階で2番手につけるのが、世界ランク73位のキム・キョンテ。昨季の日本ツアー賞金王を、3番手で追うのがチェだ。1月の「ソニーオープンinハワイ」終了時点の世界ランク331位から、現在は105位まで浮上したことで、選手としてリオに行くチャンスが芽生えた。

女子ではイ・ボミが現在8番手。日本ツアーに付与される世界ランクポイントは米ツアーの4分の1程度で、日本で勝ってもなかなか出場圏内に届かずにいる。日本男子ツアーの世界ランクポイントも、おおよその試合が米国の4分の1程度といっていい。日本で戦うキムと、米国を舞台にするチェの争いもオモシロそうだ。(フロリダ州オーランド/桂川洋一)

■ 桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール

1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw

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