2014年 全米オープン

泰然自若 松山英樹は異色コースとの戦いを前に原点回帰

2014/06/11 09:01
テレビ解説を務める青木功から激励を受けた松山は笑顔で調整を行った

ノースカロライナ州のパインハーストNo.2で行われる2014年の海外メジャー「全米オープン」開幕を2日前に控えた10日(火)、松山英樹は当地で午前中から6時間にも及ぶ練習で調整を施した。

まずは午前8時前から練習ラウンドを敢行。強い日差しを浴び、汗を流しながら1番からのアウト9ホールをチェックした。昨日の敵は今日の友。一緒にプレーしたのは日本ツアーを主戦場としているキム・ヒョンソン金亨成=韓国)にデビッド・オー。そして2週前に米ツアー初制覇を遂げた「ザ・メモリアルトーナメント」でプレーオフを戦ったケビン・ナの姿も。笑顔を見せつつ、和気あいあいとティオフへの準備に勤しんだ。

ラフがフェアウェイ並に短く刈り揃えられ、“異色”の様相を呈す今年の「全米オープン」。ドナルド・ロス設計の激しい傾斜を持つグリーンの周囲も同様で、ツルツルのライからのアプローチは実に厄介だ。「このコースはグリーン周りがすごく大事。どれくらい自分が対応できるか」。同組でプレーした選手たちは、序盤からフェアウェイウッドやユーティリティ、ドライバーも使って、転がしのアプローチを繰り返し練習。しかし松山は、そのほぼすべてをウェッジ、ショートアイアンでチッピングを行った。

コース内の練習グリーンにも大きなアンジュレーションが施されており、同じようにウッドで転がしのタッチを確認するプレーヤーが多数いる。だが、松山のラウンド後のアプローチ練習は、“普段通り”と言えるもの。10ヤード、20ヤード、30ヤードといった具合に徐々に距離を伸ばし、低弾道のランニング、ピッチエンドランの練習を重ねた。左打ちで2球だけ妙技を見せて笑ったが、それ以外は淡々とルーティンワークをこなした印象だ。

続くショット練習でも、丁寧に基本動作を確認する様子ばかりが目立った。ハーフショットに始まり、ショートアイアンを中心にスイング。それでもボールをクリーンに捕えることで、鋭くスピンのかかったショットを連発した。難解なグリーンを、真上から攻め落とすような攻略法を周囲にイメージさせた。

実際に状況で選択するクラブや技については「試合になってみないと分からない」と言った。しかし「基本的にスイングがよければボールは飛ぶと思うし、グリーンにも止まる。アプローチも同じことだと思う。だいぶ今日練習して良くなったかなと思います」と、原点回帰の重要性も口にした。

各ホールとも、フェアウェイ周辺は砂地や雑草地帯ばかりで、ボールが偶然に止まったライによってもスコアが左右されそうな今大会。期間中の気象条件も不透明。その戦いを、松山は「出たとこ勝負」という表現で見据えた。そうであれば、背伸びをせず基本に立ち返って準備をする。メジャー初制覇を狙う22歳の姿勢が、垣間見えた調整だった。(ノースカロライナ州パインハースト/桂川洋一)

■ 桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール

1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw

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