2013年 ファーマーズ・インシュランスオープン

母校のために戦う“ユニバーシティ・デー”

2013/01/27 09:50
2011年大会のT.ウッズ。スタンフォード大学の「S」のロゴの入ったシャツを着用してプレーしていた。(Donald Miralle/Getty Images)

前身の「ビュイックインビテーショナル」から2010年にメインスポンサーが変更された米国男子ツアー「ファーマーズ・インシュランスオープン」の土曜日は例年、“ユニバーシティ・デー”なるイベントが試合と並行して行われている。

この催しは、決勝ラウンドに進んだ選手の希望者が、出身大学のチームカラーを基調にしたウエアを着用して第3ラウンドのスコアを競い合うもの。エントリーした選手の中で、ベストスコアを出したプレーヤーが勝者となる。しかしこの競技が、一風変わっているのは、ボーナスが各プレーヤーに入るものではないところにある。

トップだった選手の賞金1万5000ドルは、出身大学のゴルフ部に寄贈される。1万ドルが贈られる2位もまた同様。プロゴルファーたちは、自分たちがかつて汗を流した母校のために戦い、報奨を還元できるというわけだ。

残念ながら濃霧のためサスペンデッドとなった26日(土)のトーレパインズGCには、各大学のマスコットたちが集まり、スタートの遅延が続いた会場を盛り上げた。もちろんオクラホマ州立大出身、オレンジカラーがおなじみのリッキー・ファウラーをはじめ、多くの選手が賛同。ブラント・スネデカーはヴァンダービルト大のブラックのシャツを着た。また、来場したギャラリーも同様に、それぞれのスクールカラーをまとっていれば、プレゼントをゲット。テレビレポーターなどメディア関係者も、出身校にちなんだ“ベストドレッサー”を競った。

もちろんゴルフだけでなく、バスケットボールやアメフトなど大学スポーツが盛んなアメリカだからこその盛り上がり。けれど、日本ツアーでも、こんなイベントがあったら別の楽しみにもなりそうだ。米国に比べて高卒出身選手も多いため、一緒くたにはできないが、選手を“出身都道府県別“に分けて、各地域のゴルフ連盟に還元するのもいいかも。1つの試合で楽しみが複数にひろがりそうだ。

個人競技のプレーヤーをカテゴライズすることで、ファンが親近感を持つきっかけとなるかもしれない。(カリフォルニア州ラ・ホヤ/桂川洋一)

■ 桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール

1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw

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