2021年 ザ・メモリアルトーナメント

どうするワクチン接種 周囲とのギャップと松山英樹

2021/06/03 08:54
新型コロナ渦でのプレーが続く松山英樹。米国の情勢も変わりつつあり…

◇米国男子◇ザ・メモリアルトーナメント 事前情報(2日)◇ミュアフィールドビレッジGC(オハイオ州)◇7543yd(パー72)

PGAツアーの会場は「マスターズ」の前後で様変わりした。新型コロナウイルスのワクチン接種が進行し、今月13日に米国疾病予防管理センター(CDC)が接種完了者にマスク着用義務はないと発表する少し前から、来場に際してのルールは形骸化され、ソーシャルディスタンス無視でマスクを外すギャラリーで場内はあふれていた。

PGAツアーは秋をめどに、昨年6月のシーズン再開から各会場で行ってきた選手・関係者向けのPCR検査を取りやめる方針を示している。ワクチン接種が完了(十分な抗体量が作られるまでの期間が終了)していないほか、接種しない選手については、自費で検査を受け陰性証明を出すことで出場許可を得るよう求める。

松山英樹は現段階でワクチンを接種していない。「選手の半分くらいが接種したと聞いている」というが、目の前に連なる試合、副反応が出場試合に及ぼす影響を考えると、決断もタイミングも難しいと悩んでいる様子だ。

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心配なのは周囲とのウイルス対策への意識のギャップ。マスターズチャンピオンはツアーに復帰してからあらゆる場所でサインや記念写真を求められ、マスクをしないファンに戸惑いながらペンを走らせ、笑顔を作る。

「ギャラリーもこれだけ入っていて、どうなのかなあと。ワクチンが全てではないと聞く。『ワクチンを打ったから全てOK』というような傾向、風潮になっているのは怖い」

ワクチンの有効性、接種により予防効果が高まり、重症化リスクが下がる確率も100%ではない。そして現在も国際間の移動にあたっては、ワクチンを受けていようがいまいが、PCR検査の陰性結果が必要で、陽性判定が出ればたちまちスケジュールに影響が出る。夏場に「全英オープン」や「東京五輪」、そして米国に戻ってツアーのシーズン終盤戦をプレーする身としては、感染予防への意識が変わることはなさそうだ。(オハイオ州ダブリン/桂川洋一)

■ 桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール

1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw

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