2014年 ウェグマンズLPGA選手権

“強み”のぶつかり合い 三者三様のメジャー争い

2014/08/17 12:13
パットといえばこの人。2連覇へ絶好のチャンスをつかみ最終日を迎える朴仁妃

パワーヒッターか、ショットメーカーか、パットの名手か--。米女子メジャー第4戦の「ウェグマンズLPGA選手権」は3日目を終えて、通算10アンダーで首位に立つブリタニー・リンシコムを、スーザン・ペターセン(ノルウェー)と朴仁妃(韓国)が1打差で追って最終日を迎える構図となった。

いずれもメジャータイトルを持つこの3人の持ち味が、見事に三者三様なのが面白い。

リンシコムは米ツアーでも屈指のパワーヒッターとして鳴らし、ルーキーイヤーの2005年シーズンから昨季までの9年間で、平均ドライビングディスタンス1位を3度も記録。今季も3位(268.932ヤード)につけている。今大会のコースセッティングは総距離6,717ヤードと長い上にフェアウェイは広く、飛距離のアドバンテージを存分に生かせる舞台。「確かにそう思うわ。パー5も、9番以外は2打で届くしね」と、その優位は自身も認めるところだ。

対してペターセンは、昨季のパーオン率1位に輝くなど、精度の高いショットが武器のショットメーカー。今季も1位(79パーセント)をキープしており、この3日間のパーオン率は、3人の中で最も高い77.8パーセント(54ホール中42ホール)を記録している。「(昨年制した)エビアンのときより良い感触でショットが打てている」と、距離があるパー4、パー3が続くコースにも順応。明日は最終組で、リンシコムと2サムでの直接対決に挑む。

そして、09年、12年シーズンの平均パット数が1位で、今季も2位(29.09)につけているのが朴だ。今週の平均ドライビングディスタンスは252.7ヤードと2人に劣り、ハンデがあるが、その分をグリーン上でカバーしている。2日目には25パットの「66」で急浮上。プレーオフで惜敗した前週「マイヤーLPGAクラシック」から替えたというパターは「とても感触がいい」と、アンジュレーションが強いグリーン攻略の支えになっている。

開幕前からパワーヒッター有利と目されてきたが、単純な物差しで測ることができないのがゴルフの、そしてメジャーの醍醐味。明日の最終日、最後に笑うのはどのタイプ?(ニューヨーク州ピッツフォード/塚田達也)

■ 塚田達也(つかだたつや) プロフィール

1977年生まれ。工事現場の監督から紆余曲折を経て現在に至る。35歳を過ぎてダイエットが欠かせなくなった変化を自覚しつつ、出張が重なると誘惑に負ける日々を繰り返している小さいおっさんです。

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