2013年 HSBC女子チャンピオンズ2013

幸運に感謝 玉突き被害のP.クリーマーが好発進

2013/02/28 18:21
時おり首を気にする仕草も見られたが、上位で18ホールを完走したP.クリーマー

宮里藍が今週の「HSBC女子チャンピオンズ」を欠場する原因となった、先週24日(日)にタイ・バンコクの車道で起きた玉突き事故。同じく宮里の後続の車両で衝突事故に遭ったポーラ・クリーマーも首を痛め、その症状が心配される1人だった。

練習日には、クラブハウス内で涙を流す姿にも遭遇。昨日のプロアマ戦は出場したものの、スタートしてから間もなく途中棄権。傍目から見ても、本戦への欠場は難しいと思われた。

しかし、迎えた初日は欠場の発表はなく、スタートリストにはポーラの名前が。しかも3連続を含む5バーディ、1ボギーの「68」、4アンダーは首位に3打差の7位タイ発進。ラウンド中には首を回す仕草も見受けられたが、上々のスコアで18ホールを完走したのだ。

「首の右側周辺に違和感があって、スタート前はちゃんとプレーできるか分からなかった」と、現在も事故の影響が残っている状態。もちろん欠場という選択肢もあったが、「お父さんに電話したら、“おまえ次第だ”と言われたからプレーしてみた」と出場を決意。「とにかく、できるところまでやろう、という気持ちだった。ただ、プレーができていることがラッキーというしかない」という、無欲の境地もプラスに働いたのか。

無念の想いで欠場した宮里も、強行出場したポーラも、どちらも高いプロフェッショナルの意識に基づく決断と言えるだろう。ただ、むち打ちは急に悪化する可能性もあるとされるだけに、ポーラの決断が後悔を生まないことを祈るばかりだ。(シンガポール・セントーサ島/塚田達也)

■ 塚田達也(つかだたつや) プロフィール

1977年生まれ。工事現場の監督から紆余曲折を経て現在に至る。35歳を過ぎてダイエットが欠かせなくなった変化を自覚しつつ、出張が重なると誘惑に負ける日々を繰り返している小さいおっさんです。

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