2016年 サイバーエージェント レディス

福嶋浩子「1勝してみたい」 偉大な姉を持つ妹の本音は?

2016/04/29 19:34
福嶋浩子は「雲の上の存在」と語る姉・晃子と最近、ゴルフ談義を重ねる

フィギュアスケートの浅田真央・舞、ボクシングの亀田興毅・大毅・和毅…。ゴルフで言えば、宮里三兄妹や尾崎三兄弟に代表されるように、兄弟姉妹が同じスポーツの道に進むことは珍しくない。しかし、同じように活躍できるとは限らない。「~の姉」「~の弟」と呼ばれたほうが、名前の通る選手がいるのも事実だ。

福嶋浩子は、国内女子ツアー通算24勝を誇る福嶋晃子を姉に持つ。自身は未勝利だ。29日に開幕した「サイバーエージェント レディス」で、8バーディ、1ボギー1ダブルボギー「67」(パー72)をマークし、5アンダーの単独首位で滑り出した。

「でき過ぎですね」と満面の笑みで振り返った。その後、意外なことを口にした。これまで、姉との間ではゴルフの話題を避けてきたが「今年に入り、初めてプレーの相談をしている」というのだ。

当然、尊敬の念はある。ただ1996年、97年に連続賞金女王となった姉は「雲の上の存在」だった。ゴルフの相談はできなかった。「お姉ちゃんからはできるけど、私にはできない。(試合中の)悩みが、かけ離れている」

妹・福嶋浩子の相談に乗る良き姉

転機は「マスターズ」の裏で行われた今月の「スタジオアリス女子オープン」だった。第2ラウンドで姉と同組になった。昨季は34試合に出場し予選落ちが18回と半分以上だったが、今季はそこまで5試合すべてで予選を通過していた。オフの間に後藤勝キャディに練習を見てもらった結果と認識していたが『欲』も出てきた。

コースマネジメントや決勝ラウンドでの気持ちの持ち方をたずねると、姉は自身の経験を元に説明してくれた。この試合では結局決勝ラウンドに進めなかったが、今では普通にゴルフの話をする。

最後に恥ずかしそうに「1勝してみたい」と口にした。姉からも「無理じゃないと思う」と背中を押されている。恐縮しながら「すごく大変なことは分かっています」と笑う38歳が、春風に乗って好スタートを切った。(静岡県三島市/林洋平)

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