フォン、悪化をたどる日中関係を憂う
ディフェンディングチャンピオンとして「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンゴルフトーナメント」に出場している、中国出身のフォン・シャンシャン。初日は首位に1打差の3位タイと好発進。2日目は10位タイに後退したものの上位に踏みとどまり、今年も昨年と同様、逆転優勝への雰囲気を漂わせて最終日を迎える。
初日は、東北高校出身の有村智恵と木戸愛という注目組を回り、2日目は最終組から1つ前をラウンド。いずれも多くのギャラリーに囲まれてのプレーとなったが、やはり心のどこかで思ってしまうのは、現在、悪化の一途を辿っている日中関係に絡むこと。その余波はスポーツ界にも影を落としており、サッカー、卓球、バドミントンなど、残念ながら多岐の競技に及んでいるのが現状だ。そして喜ばしいことに、日本のゴルフ界ではそのような心配は杞憂に終わっている。
主に海外でプレーを続けるフォンにとっては、現在の日中関係はテレビや新聞を介しての情報でしか入手できず、「耳にはチラッと入ってはいます」という認識。日本での状況はさらに不明なため、念のために同じ中国出身のイエ・リーインに連絡を取って確認したところ、“日本はぜんぜん大丈夫”という返事をもらったという。「元々、心配はしていませんでしたが、さらに安心して来ることができました」と和やかな笑顔を浮かべた。
日本ツアーに参戦を始めた昨年当時から、日本への愛着を口にし続けてきたフォン。「これから(日中関係を)元に戻して、友好的になれればいいと思います」と笑顔は消え、憂いの表情に変わっていた。(宮城県利府町/塚田達也)
■ 塚田達也(つかだたつや) プロフィール
1977年生まれ。工事現場の監督から紆余曲折を経て現在に至る。35歳を過ぎてダイエットが欠かせなくなった変化を自覚しつつ、出張が重なると誘惑に負ける日々を繰り返している小さいおっさんです。