2010年 フジサンケイレディスクラシック

申智愛、オチョアの引退には重い口

2010/04/24 19:32
申智愛の重い口は、既に感じている世界一のプレッシャーゆえのものなのか?

日本時間の昨夜に行われたロレーナ・オチョアの引退会見。現在、世界ランクナンバー2で、今週の「フジサンケイレディスクラシック」に出場している申智愛は、「今週の試合に集中しているので、会見の内容は聞いていないです」と、ゴルフ界を揺るがしているビッグニュースにも大きなリアクションは見せていない。

「シーズン中に引退発表するということは、彼女が沢山考えてやっと出した結論だと思う。だけど、彼女の言葉を聞いていないので、コメントすることはありません」。必死で自分に降りかかる重圧から逃れようとしているようにも感じられる。

とはいえ、他のプレーヤー達と同じように、申にとってもオチョアの存在は非常に大きなものだという。「私にとっては、ただのゴルフ選手としてだけではなく、ゴルフ以外のチャリティ活動を見ても憧れる。私のロールモデルになっている大きな存在です」。ゴルフが上手いだけでは世界一になることは出来ない。そんな定説を体現するオチョアへの畏敬の念は誰もが感じていることだろう。

オチョアの引退会見の中で、若い選手たちに宛てた言葉が心に残る。「ジュニア競技を終えたら、大学に行きなさい。それからプロゴルファーになればいい。ツアーはいつでも存在するんだから、焦る必要は無いわ」。内面、そしてゴルフ的にも成熟する期間を経てからプロになっても10年から15年は続けられる。ゴルフだけが人生ではないんだから、その準備をした方がいい。「そうすれば、途中で燃え尽きることも無く、もっと長くゴルフを続けられる・・・」。

オチョアが居なくなることで、申やヤニ・ツェンなど若い世代がトップに立つ日が迫っている。その時、どれほどのプレッシャーが当人に掛かるのか想像は出来ないが、オチョアの危惧が現実のものとならないことを祈るばかりだ。(編集部:今岡涼太)

■ 今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール

1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka

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