国内女子ツアー

“集中”とは無縁な古閑美保の強さ

2008/08/24 09:25
ゴルフはメンタルが重要なスポーツ。敢えて集中する必要がない古閑美保は、ゴルフが天職なのだろう

「CAT Ladies」最終日はスタート前から強い雨に見舞われ、スタートから3時間40分後、最終組が4ホールを終えた時点で一時中断に。その後も雨は降り続けたものの2時間後に再開し、何とか全選手ホールアウトした。

上位争いを演じていた選手の心中が、人それぞれで面白い。後半に追い上げて、最終的に2位で終えた全美貞が「全然やりたくなかったです。18ホールプレーできたのが信じられない」と言えば、「絶対に回りたかったし、続行して欲しいと思っていた」と最終組スタートの三塚優子。上位争いを演じていた佐藤靖子は、「ちょうど6番でミスしてトラブっていた時なので、やりたいような、やりたくないような」気持ちだったという。

ポジティブに、あるいはネガティブに考える中で、ゴルフではどちらにしても気持ちを切らさないことが大切。「集中力を切らさないように」とは良く聞くフレーズだが、今週優勝を飾った古閑美保には無用な考えのようだ。

「私って、何が“集中”だか分からないんですよ。いつも、私生活もゴルフも同じ気持ちですし、今日も普段通りにやっていました」と古閑。競技が成立する36ホールを終えて単独首位だった古閑は、このまま最終ラウンドが中止になっても勝利が転がり込む。獲得賞金は75パーセントにカットになるとはいえ、少しは“このまま中止になれば…”という気持ちもあったのではないだろうか。そんな気持ちをプレーに現すこともなく、常にリラックスした状態でプレーできる古閑の強さが、この雨中のラウンドで特に際立っているように見えた。(編集部:塚田達也)

■ 塚田達也(つかだたつや) プロフィール

1977年生まれ。工事現場の監督から紆余曲折を経て現在に至る。35歳を過ぎてダイエットが欠かせなくなった変化を自覚しつつ、出張が重なると誘惑に負ける日々を繰り返している小さいおっさんです。