石川遼が福島県でコース監修へ マネジメント会社が経営権
◇国内男子◇トップ杯東海クラシック 事前情報(26日)◇三好カントリー倶楽部 西コース(愛知)◇7330yd(パー72)
石川遼のマネジメント会社「ケーアイ企画」は25日(火)、福島県のゴルフ場・棚倉田舎倶楽部の経営権を取得した。支配人をはじめとしたスタッフは前体制を引き継ぎ、父の勝美さんがコースを運営する棚倉開発の社長に就任。石川は将来のコースデザインやジュニア育成、ゴルフ活性化活動への意欲を口にした。
福島県南部の棚倉町にある棚倉田舎倶楽部は、27ホールを持つ雄大なコース。「日米大学対抗ゴルフ選手権」などを開催し、ジュニアゴルファーにも門戸を広げてきた。「学校が終わった(放課後の)子どもたちにボールを自由に打たせたりと、もともとゴルフが身近な土地柄だった。クラブハウスにフィル・ミケルソンの写真が飾られていたりして歴史も感じる」と石川。6月に国内ツアー「ダンロップ スリクソン福島オープン」に出場した際にも、福島県のゴルフ熱を感じたといい、土地に根付いたジュニア育成にも力を注ぐ考えだ。
「アメリカに行ってからコース(設計)にも興味が湧いた」ことから、「競技ゴルファーが『ここならうまくなれる』と思えるゴルフ場にしたい。そのために自分のポジションを生かしていろんなプロの意見も聞きたい」というのが、ひとつの願い。
■ ゴルフのすそ野を広げる「ティマーク」の重要性
一方、ゴルフのすそ野を広げたいという思いも強い。日本の多くのゴルフ場は“エンジョイゴルファー”に優しくない、という見方がある。PGAツアーでプレーした5年間、石川はプライベートでも多くのゴルフ場に足を運んだ。「アメリカと日本の一番の違いは、ティグラウンド(マーク)の数と距離設定」だという。
米国はティショットを打つポジションが豊富なコースが多い。「パー4で200ydというティマークもある。ゴルフは本来、その人の力に合わせて、どこから(ティショットを)打ってもいい」。非力な女性ゴルファーが18ホールで、パーオンできそうなホールが日本のコースにどれだけあるか。あるいは「“レディースティ”と書かれていたら、男の人は打ちづらくなる。ティの種類は色で分けるだけでいいはず」と石川。力量によって、それぞれの楽しみ方ができるのがゴルフの良いところ。その魅力を引き出すことが活性化の一歩と考える。
「いろんなゴルファー、ゴルファーではない人も集まるような場所になればいい」。経験豊富な27歳の手腕が注目される。(愛知県みよし市/桂川洋一)
■ 桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール
1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw