2016年 関西オープン

ベテラン中嶋常幸が国内4戦目でシーズンインする理由

2016/05/18 19:30
「中日クラウンズ」の欠場から3週間。中嶋常幸が今季初戦を迎える

ツアー通算48勝で永久シードプレーヤーの中嶋常幸が、19日に開幕する「関西オープンゴルフ選手権競技」で今季初戦を迎える。当初は前戦の4月末「中日クラウンズ」に出場予定だったが、開催間近になり2010年に不慮の事故で痛めた膝の古傷が悪化。無念の欠場を強いられ、予定より3週間遅れでのシーズンインとなる。

練習日にあてられた開幕前日は、長男の中島マサオらと9ホールをプレー。膝の状態を問われると「十分かと言われれば、十分ではないけれど」と前置きした上で、「試合に出られるようになったからね。頑張ってみたいと思います」と快活に答えた。

ラウンド中には時おり膝をさする素振りを見せてもいたが、61歳から弱音の言葉は聞かれない。「大丈夫だと思えたから来ているからね。ダメだと思えば戻って来なかった。足で棄権をすることはないよ」と言い切った。出場するからには最後までプレーする――。

前戦の「中日クラウンズ」では、JGTO会長となった青木功がツアー最年長出場記録こそ更新したものの、前夜に処置した足の負傷が響いて初日の9ホールで途中棄権。初日にエージシュート寸前の好プレーを見せた尾崎将司も予選落ちに終わるなどレジェンドたちが話題を作った。それもあってか、この日の言葉が示す出場判断基準には中嶋ならではのこだわりがにじんだ。

親子で練習ラウンド。和やかな雰囲気で9ホールをプレーした

ニヤリと笑い「ティショットを置いていかれてショックだったなあ」と語ったこの日の長男とのプレーについても、「他の人よりも、息子にされるとガクッと来る。嬉しいって? 嬉しくなんかないね」と、あくまでプレーヤー同士の視点を強調した。

「とりあえずは2日間をメチャクチャ楽しみたい。そしてできれば、4日間を楽しみたいよね」。プロとしてプレーする気概とワクワク感、2つの気持ちを胸にベテランは今季も初戦のスタートホールに立つ。(和歌山県橋本市/塚田達也)

■ 塚田達也(つかだたつや) プロフィール

1977年生まれ。工事現場の監督から紆余曲折を経て現在に至る。35歳を過ぎてダイエットが欠かせなくなった変化を自覚しつつ、出張が重なると誘惑に負ける日々を繰り返している小さいおっさんです。

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