過去にはあの選手も! 初優勝の“次”が与える試練
2週間前の「日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ Shishido Hills」でツアー初優勝をメジャーで飾った竹谷佳孝は、今週開催の「長嶋茂雄 INVITATIONAL セガサミーカップゴルフトーナメント」を前に青木功から1つの忠告を受けたという。
「青木さんに、“しがみついてでも予選を通れ”と言われました。強い選手になっていくには、初優勝した次の試合に予選を通ることが重要だと」。
今週は「青木さんの言葉が、走馬燈のように頭の中をぐるぐる回っていた」と振り返る竹谷。初日を終えて82位と出遅れ、2日目も残り5ホールを迎えて2オーバーとカットライン付近。しかし、そこから「這いつくばってでも予選を通る」との思いで、14番、最終18番でバーディをもぎとり、青木が課した試練を見事にクリアしてみせた。
「2週間前よりも感覚が落ちていたし、本当に難しいと思った」と竹谷も振り返る、初優勝後の一戦。全力を出し切ったあとの肉体的・精神的疲労や、一気に注目が高まることへのプレッシャーもあるだろう。他の選手達のケースを見ても、その困難さが伝わってくる。
近年の例を挙げると・・・以下の選手たちが初優勝後の次戦を予選落ちで終えている。
(選手名/初優勝した試合)
・川村昌弘/2013年「アジアパシフィック パナソニックオープン」
・小林正則/2011年「とおとうみ浜松オープン」
・五十嵐雄二/2009年「UBS日本ゴルフツアー選手権 宍戸ヒルズ」
・兼本貴司/2009年「三菱ダイヤモンドカップゴルフ」
ちなみに国内女子ツアーに目を向けると・・・2003年の「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」でアマチュア制覇を遂げた宮里藍は、次戦「伊藤園レディス」を51位タイで予選落ち。プロデビュー戦の獲得賞金は0円に終わっていた。
さらに、今年の「KKT杯バンテリンレディスオープン」でツアー史上最年少優勝を飾った勝みなみも、2週間後の「サイバーエージェント レディス」は予選落ち。森田理香子は2010年「樋口久子IDC大塚家具レディス」で初優勝した翌週、予選落ちがない「ミズノクラシック」で最下位となる78位。翌週の「伊藤園レディス」では予選落ちだった。(北海道千歳市/塚田達也)
■ 塚田達也(つかだたつや) プロフィール
1977年生まれ。工事現場の監督から紆余曲折を経て現在に至る。35歳を過ぎてダイエットが欠かせなくなった変化を自覚しつつ、出張が重なると誘惑に負ける日々を繰り返している小さいおっさんです。