ハーフ終了後の“インターバル”の使い方
9月も下旬に突入したにもかかわらず、30℃近い気温に包まれた「コカ・コーラ東海クラシック」初日。選手たちはいまだに厳しい残暑と戦っているが、同大会は国内男子ツアーの秋の訪れ、シーズン後半戦の始まりを告げる一戦だ。
というのも、今週から予選ラウンドのプレー消化の方法が大きく異なるから。4月の開幕から前週の「アジアパシフィックオープンゴルフチャンピオンシップ パナソニックオープン」までは、出場全選手がいわゆる“午前組”と“午後組”の2つに分かれてプレーを開始する。しかし今大会から最終戦までは、日照時間が少なくなる影響で、全選手が午前中にスタート。出場人数も前週の132人から今週は108人と減少した。
これによって生まれるのが、ハーフを終えた段階でのインターバル。前の組の選手たちがスタートするのを待つため、数十分間はコース内で待機を強いられる(出場人数が30名前後と少ない最終戦の日本シリーズJTカップはのぞく)。この日のタイムスケジュールでは各組43分の待ち時間が設定された。
国内女子ツアーの多くのトーナメントではシーズンを通して一般的だが、男子は夏場までスループレーが通常。そのため、分かってはいながらも、変化に違和感を持つプレーヤーもいる。「今日は後半の出だしは体が固まって、(スイングが)バラバラになって危なかった。なんとか“そこ”を耐えられた」とは3アンダーでフィニッシュした平塚哲二。百戦錬磨のベテランでもシーズンの後半戦に向けてスイッチを切り替える時だ。
この日、2アンダーの5位タイにつけた川村昌弘はプロ転向後、初めての経験だった。「違和感はありました」とはっきりと言う。しかしその間に何をしていたかといえば「サンドイッチを食べたくらいで、あとは何も…」。ツアーでは、この時間帯に選手たちにパットとチップショットの練習を認めている。もちろん練習器具等を使うことなどはNGで、ペナルティを科されるが、ハーフ終了後いそいそとパッティンググリーンに向かう選手の姿もある。
しかしこれは19歳が中学生時代から貫いてきたスタイル。「アマチュアの試合でもこういう時間はありました。でも試合中に練習をして、意味の無いボール(一打)を打つのが、気持ちの入らないストロークをするのが、僕はダメなんです」。とういうわけで、40分間は思いっきり気分をオフにする。ちなみに川村は前半インをパープレーで回り、後半開始直後の1番でチップインバーディ。続く2番でもバーディを決めた。
日本のアベレージゴルファーにも共通するこのインターバル。好スコアを出すために、こんな時間の使い方、気持ちの切り替えを試してみるのも良いかも?(愛知県みよし市/桂川洋一)
■ 桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール
1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw