谷口徹 したたかに3度目の賞金王へ
5月の国内メジャー初戦「日本プロゴルフ選手権大会 日清カップヌードル杯」で今季初勝利をマークし、2週前の「~全英への道~ミズノオープン」では2位タイ。44歳の谷口徹は、順調なシーズン前半戦を過ごしている。
北海道のザ・ノースカントリーゴルフクラブで開幕した「長嶋茂雄 INVITATIONAL セガサミーカップゴルフトーナメント」の初日も、5バーディ、1ボギーの「68」をマーク。首位とは3打差の4位タイと貫禄の滑り出しを見せた。
07年大会のチャンピオンでもあるベテランは今大会を制すると、3000万円を獲得し、他選手の成績に関わらず賞金ランキングで3位からトップに躍り出る。ベ・サンムン(韓国)が米ツアーに参戦した今シーズンの最大の目標に据えた3度目の賞金王戴冠。その視界も一気に良好となる。
海外メジャー第3戦「全英オープン」を再来週に控えるが「それは終わってから考えます。まずはこの大会」と、目の前のトーナメントに集中。「大きい大会で、勝つのも重要な要素」と賞金額が高いシーズン中盤戦での一戦への意欲は自然と高まる。過去2度の経験から導き出した、栄冠につながる道の考え。それは「賞金王は確かに終わった結果ではある。でも“たまたま獲れた”っていうもんじゃない」というもの。闘志をむき出しにして、狙って、獲りに行く。それが谷口のスタイルだ。
1ラウンド18ホールの中にスコアを伸ばせる“チャンスホール”があるように、長いシーズンの中にも「狙うべき」ビッグトーナメントがある。賞金額が安いからといって手を抜けるほど、プロゴルファーは器用でないが、皮算用だってもちろんする。「先はまだまだ長い。10月以降、どれだけ頑張れるか。そしてそこまでにどれだけ稼いでおくか」。攻める、守る。1ホールに、1ラウンドにショットの“押し引き”が求められるように、名手たちは長いシーズンに強弱をつけて争っている。(北海道千歳市/桂川洋一)
■ 桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール
1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw