Golf in Abu Dhabi/アブダビレポート(3)
今週は、アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビで開催されている欧州ツアー「アブダビHSBCゴルフ選手権」からのレポートをお伝えしているが、実は今回我々は、アブダビ政府観光局の活動の一環である「Golf in Abu Dhabi」というキャンペーンによって、取材活動の一部をサポートされている。
このキャンペーンはその名の通り、アブダビをゴルフ旅行の目的地として世界に向けて発信するために、ゴルフ場やホテル、エンターテイメント施設などの各サービスを複合的に連携させ、一体となったプロモーションを行うための活動で、06年に始まった「アブダビHSBCゴルフ選手権」も、このキャンペーンの大きな役割を担っている。
彼らの目的は明確で、年間170億ドル(約1兆5300億円/IAGTOによる)と言われる世界のゴルフ旅行市場でのシェア拡大で、そのターゲットはイギリス、アイルランド、フランス、イタリア、ドイツ、スカンジナビア諸国、中国、韓国、日本など多岐に亘る。潤沢な資金をもとに、政府が旗振りを行って、ゴルフ関連ビジネスを活性化させているのだ。
そんなアブダビには、チャンピオンシップコースとして3つの有名なゴルフ場が存在する。その1つは、現在トーナメントが行われているアブダビGC。その他、ヤス・リンクスとサディヤットビーチGCがあり、それぞれ車で20分程の距離にほどよく配置されている。ここを訪れたゴルファーは、良く整備されたコースと清潔でラグジュアリーなクラブハウスを兼ね備えたゴルフ場で、リゾートゴルフを存分に楽しむことができるようになっている。
それぞれのコースには特徴があり、ヤス・リンクスは一言でいうと“天気の良いリンクスコース”。フェアウェイ両サイドにはブッシュが繁り、アンジュレーションの強いグリーンは、ティショット、そしてアイアンショットの高い精度を求められる。海が近いため、時おり強い風が吹くこともあり、その際は一層攻略の難易度が高くなる。それでも、雨が降ることはほぼ無いといってよく、今の季節ならば日差しはきつくとも風は涼しい。半袖で快適なラウンドを楽しむことができるだろう。
ヤス・リンクスに比べると、サディヤットビーチGCはよりプレーしやすいと言えるだろう。フェアウェイは広く、コースはビーチに面しているために、空の青と海の青、コースの緑と砂の白さが実に素敵なコントラストを織りなしている。ただし、大きなバンカーには要注意。ティショットでのプレッシャーは少ないものの、常に視界に入る砂地にはまると、まるで砂漠で遭難したかのような経験ができるかもしれない。
また、このエリアには5つ星のゴージャスホテルから、3つ星程度のリーズナブルなホテルまで、さまざまな種類のホテルが用意されている。詳細は「Golf in Abu Dhabi」のホームページ等で確認して頂ければと思う。アブダビといえば豪華絢爛なイメージを抱かれる方も多いかも知れないが、シーズンによって変動するが、プレーフィーはヤス・リンクスで、平日(日~木)550ディルハム(約13750円)から週末(金・土)は850ディルハム(約21250円)といったところ。通常ではキャディはつかず、ナビのついた電動カートで2バッグというスタイルだが、事前に要望すればキャディや通訳の手配も可能だという。彼らは口癖のようにこういう。「Everything is possible in Abu Dhabi.(アブダビではすべてが可能だ)」。もちろん、これは先立つものがあっての話だが。
日本人にとって、アブダビをゴルフ旅行の目的地として考えた場合、一番の懸念点はその距離になるだろう。東京から直行便で12時間。エティハド航空は機材も新しく、機内エンターテイメントも充実しているので、その点はプラス要素。もし、ここに到着さえすれば、あとは常に綺麗な青空が広がり、安全、快適なゴルフリゾートを満喫できることだろう。もちろん、ホテルやゴルフ場のクラブハウスではお酒を飲むこともできるので、プレー後の爽快さも保証されている。(UAEアブダビ/今岡涼太)