松山英樹「すごいな」 欧州ツアーVの中島啓太が帰国
「ヒーローインディアンオープン」で日本勢史上5人目の欧州ツアー制覇を遂げた中島啓太が1日、成田空港着の航空機で帰国した。
インドでは勝利の余韻に浸る間もなく、帰国便に飛び乗った。「大会週の事前準備としては多分100%ではなくて、それでなんで優勝できたのかを考えながら来たんですけど、答えは結局出なくて…」。1日経ったいまも、頭の中には喜びと驚きが入り混じる。
31日の最終ラウンドのスタート前、中島はクラブハウスのロッカールームで日本ゴルフツアー機構(JGTO)のホームページとにらめっこしていた。「更新ボタンを押しまくった。一緒に優勝できたらスゴイと思ったので…」。国内ツアーの開幕戦「東建ホームメイトカップ」で最終日首位に立っていたのが、大会期間中も互いにメッセージを送り合った盟友・金谷拓実だったからだ。
金谷が3打のリードを持って上がり3ホールに入ったことを確認し、勝利を確信。自身も1番ティへと向かった。「『ここは絶対勝ちたい』と思って気合が入った」。強い気持ちを持って臨んだ18ホールだった。
2人の同日優勝は、もちろん初めてのこと。優勝後には金谷から「おめでとう。JKG(Just Keep Going/前進あるのみ)」と祝福が届き、返信は「ありがとうございます。JKG」。長い時間をともに過ごしてきた仲だからこそ、シンプルな言葉で互いをたたえた。
松山英樹からもインスタグラムのダイレクトメッセージが届き、「『おめでとう。すごいな』と。自分は『最終日のバックナインでオーバー(パー)を打ってしまったので情けないです』と返したら、『勝てば全く関係ないよ』って」。“先輩”からの温かい言葉に頬を緩ませた。
上位10人にPGAツアー出場権が与えられる年間ポイントランキング(レース・トゥ・ドバイ)でも13位に浮上した。世界ランキングも78位となり、松山に次ぐ日本勢2番手。今年8月のパリ五輪(フランス/ル・ゴルフナショナル)の代表入りも見えてきた。「(五輪出場の)チャンスが出てきたので一試合一試合を大事に。日本のユニフォームを着られるように頑張りたい」と気持ちを高めていく。
次戦は3週後の日欧ツアー共催「ISPS HANDA 欧州・日本どっちが勝つかトーナメント!」(25日~/静岡・太平洋C御殿場コース)を予定している。国内凱旋試合に向け、「日本人有利だとは思うけど、おそらくコースセッティングはヨーロッパ。芝の長さとかグリーンの速さ、ピン位置も(日本ツアーと)全然違うと思うけど、一打一打変わらず、スイングに集中してやりたい」と意気込んだ。(編集部・内山孝志朗)