勝負は再びコルサーツとレビの一騎打ちへ
ニコラス・コルサーツとアレキサンダー・レビが上海で行われている「BMWマスターズ」の週末で、ここ3週間で2度目となる鍔(つば)迫り合いの勝負を構える格好となりそうだ。
雨により短縮された「ポルトガル・マスターズ」では、ベルギーのコルサーツが初日にビラモウラで「60」というスコアを記録しながらも、最終的にはフランスのレビがコルサーツをかわして優勝した。
そして、この二人はレイクマラーレンにてまたしてもリーダーボードの上位を占め、2日目を「64」でラウンドしたコルサーツが通算14アンダーとして1打差の首位に立った。
今季の「中国オープン」でも優勝しており、初日を「65」でラウンドして首位に立ったレビは、2日目を「66」でラウンドして2位につけており、3位には同胞のロマン・ワッテルが通算11アンダーで続いている。
ラウンド後、コルサーツは先月のグレンイーグルスでの欧州代表による「ライダーカップ」での勝利にどれくらい触発されたかを明かした。彼は同大会で勝利した2012年のメダイナでは代表チーム入りを果たしているが、今年は代表チーム入りを逃し、解説者として大会に関わっている。
それに発奮した31歳のコルサーツは、その直後の大会となった「ポルトガル・マスターズ」初日で、ヨーロピアンツアー史上初となる「59」にあと僅かのところまで迫ったのである。
「このところ2度ほど好調なゾーンでプレーしているのだけど、こういう短期間でこうしたことが起こることは余りないんだよ」とコルサーツ。彼は2012年に「ボルボワールドマッチプレー選手権」を制しているが、2013年は同様の調子を維持するのに苦しんだ。
「それだけに、こうして好調が持続できるのはいいことだし、僕はここ2ヶ月ほど良いプレーができているんだ」
「こうして優勝争いの場に帰ってこられたのは心地いいね。僕はこの位置にいられるのがとても嬉しいし、自分のプレーにも満足しているんだ」。
グレンイーグルスでは傍観者に甘んじた世界142位のコルサーツは、そのことについて触れ、「あの大会では代表入りから遠く離れたところにはいたけれど、僕は自分がああいう舞台でプレーできるだけの才量を兼ね備えた選手だと思っている」と述べた。
「外からああいうのを見ていると、確かに残念には思ったよ。僕もあの大会に出られていればと思ったし、『ライダーカップ』で見た激しさをそのままその次の週へ持ち越し、次の大会でそれをぶつけるかのような感じだったね」
「コースによっては、どのようにゴルフをプレーすべきか気付かされるし、主導権を握るのを恐れてはいけないと感じるんだ。あのように1週間マッチプレーを見ていると、本当に面白いことに、どれだけ良いスコアで回れるかというのが分かるし、恐らく僕らはストロークプレーでラウンドする際は少し安全に行き過ぎているのだと思う」
3週間前に優勝したポルトガルでは2日間を「63」と「61」でラウンドしたレビは、出だしの7ホールで4つのバーディを奪い、11番でもバーディを奪ったため、このまま初日あった1打差のリードを広げるかに見えた。
しかしながら、レビは12番でグリーン右外からのパーセーブに失敗し、今週初めてのボギーを叩くと、その後は14番と15番でバーディを奪うも、コルサーツを捕らえるには至らなかった。
ホテルではレビと同室のワッテルが首位から2打差の通算11アンダーで続き、マルセル・シーム、ブランデン・グレース、そしてエミリアーノ・グリージョが通算10アンダーで並んでおり、その1打後方にはトーマス・ビヨーンが単身でつけている。
「ライダーカップ」以来初の大会出場となったビヨーンは、1番でボギー、そして3番では8打を叩くトリプルボギーと、悪夢のような出だしとなったが、その後の15ホールでは9つのバーディを奪い、2日目を「67」でラウンドした。
「実際、『ライダーカップ』へ向け、ずっと酷い頸部の痛みに悩まされていたのだけれど、あの時は痛みが収まりプレーすることができた」と43歳のビヨーン。彼はその後の「ボルボワールドマッチプレー選手権」は欠場している。
「そして、その次の週に体が音を上げたんだ」
「『マッチプレー選手権』はとても無理だった。字義通り3日間寝床に就いたままだったんだ。でも、そういうものだよ、僕も少しばかり年を取ったからね」
ビヨーン同様に盛り返しを見せたジャスティン・ローズはそのビヨーンの2打後方につけている。彼は初日、出だしの4ホールを4オーバーでプレーしながらもスコアを「72」にまとめ、金曜日は見事「65」でラウンドしたのである。
「こういうのを待ち望んでいたんだ」とローズ。彼はグレンイーグルスで栄冠に輝いた「ライダーカップ」欧州代表チームで、5戦負けなしとチームの稼ぎ頭となった。「今日はリーダーボードに火が着いたね」
「皆、今日の好スコアを狙えるコンディションを最大限に活かしたし、基本的には僕の7アンダーもその上位陣のペースについてゆくのに必要なスコアだったんだ。僕は良いプレーができたし、もう少し良いスコアで回れるチャンスもあったんだ」