ガスリーが好調の米国勢を牽引
ファイナルシリーズの幕開けとなる上海での「BMWマスターズ」初日は、約11,000キロの移動をものともしなかった米国のルーク・ガスリーが3打差の首位に立った。
ラスベガスで開催された先週の「シュライナーズホスピタルforチルドレンオープン」最終日を「64」で回り5位で大会を終えたガスリーは、このレイクマラーレンGCでも好調を維持している。
昨年プロに転向したばかりの23歳は、初出場となったヨーロピアンツアーの大会で、2番、3番、そして7番をバーディとし「33」で折り返すと、13番と14番でもバーディを奪い、パー5の15番ではチップインイーグルを奪った。
終盤の3ホールでパーをセーブし、初日をノーボギーの7アンダー「65」でラウンドしたガスリーは、同じく風の強いコンディションをものともせずノーボギーの「68」でラウンドしたかつての全英覇者ジョン・デーリーに3打差をつけて首位に立った。
アンダーパーで終えた選手が13人しかいなかっただけに、余計に輝きを見せるスコアでラウンドしたガスリーは「今日は素晴らしい一日でした。これまでプレーした中でも最高のラウンドの一つです」と語った。
「今日は19パットでしたが、これが間違いなく今日のラウンドの鍵でしたね」「ここ2週間PGAツアーでプレーする前に5週間ほどオフを取ったことでプレーがしっかりし、ショットが大幅に向上し、良い結果が出るようになったのは嬉しいですね」「上海は好きですよ。アジアや中国に来るのは初めてですが、海外の大会にチャレンジして、国外の舞台にも慣れようと思っています。これからも経験を積んで国際的なプレーヤーになりたいです」
「本当にこの大会を楽しみにしていましたし、ここに来る事ができて、これ以上に嬉しいことはありません」
今大会はヨーロピアンツアーで初めて開催されることになった4大会で構成されるファイナルツアーの初戦であり、現在、レース・トゥ・ドバイのランキングでは、ヘンリック・ステンソンが425,573ユーロの差でグレーム・マクドウェルを抑えて首位に立っている。
しかし今大会の優勝賞金は85万ユーロとなっており、4大会の賞金総額は3000万ドルを超えるため、来月ドバイで決定するヨーロッパNo.1の戦いからはまだまだ目が離せない。
肘の怪我により4ヶ月間大会から遠ざかっていた47歳のデーリーは、大会への復帰を喜んでいる。「しばらく競技から遠ざかっていて、しかも相手は強豪ばかりときている。こいつらと互角に戦うには、とにかくきっちりとショットを打って、それを遂行するのみだ」
「幸運にも今日は多くのショットが上手くいった」
「肘の状態には6年ほど悩まされているし、特にここ4年間は本当に酷い状況だったから、ようやく手術を終えて、長いこと打てないでいたピンチする形のチップショットが打てるようになったのは良かったし、励みになる」
そして3位にはヨーロピアンツアーのルーキー、24歳のピーター・ユーラインがつけ、トップ3を米国勢が独占する形になった。彼は「マデイラ・アイランド・オープン」ですでに優勝を果たしており「アルフレッド・ダンヒル・リンクス選手権」でもデビッド・ハウエルに次いで2位となるなど快進撃を続けている。
レース・トゥ・ドバイで10位につけ、上位選手に分配される総額375万ドルのボーナスを確実にしたいユーラインは、「今日はとてもタフで、難しい一日でした。それにしても、あのルーク(ガスリー)のラウンドは何でしょうね。彼だけ別のコースでプレーしたんじゃないかという出来でしたが、とにかく今日はタフでしたね」と振り返った。
「出だしで躓きましたが、その後は盛り返せて、終盤は上々だったので良かったです」
ヨーロッパ王者を決めるレース・トゥ・ドバイをリードするヘンリック・ステンソンはイーブンパーの「72」。一方、彼をすぐ後方で追うグレーム・マクドウェルは、パー5の13番で100フィートのイーグルパットを決め、2アンダーの「70」でホールアウトした。