劇的な幕切れで古閑がメジャーと賞金女王のダブルタイトル!
宮崎県にある宮崎カントリークラブで行われている国内女子ツアー最終戦「LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」の最終日、優勝争いと賞金女王のタイトルは、最後の最後にドラマチックな幕切れが用意されていた。
序盤、最終組の2人は思うようにスコアを伸ばせない。前半を終えて2つスコアを落した上田桃子は通算2アンダーに後退。1バーディ1ボギーの宋ボベは、11番のダブルボギー、15番のボギーで優勝戦線から姿を消した。
代わって首位争いを繰り広げたのは、通算3アンダーからスタートした全美貞(韓国)と不動裕理。8番から14番までに5バーディを奪った全は、通算8アンダーで単独首位に浮上。前半2つ、折り返した13番でもバーディを奪った不動は、通算6アンダーの2位に順位を上げていた。
最終組の4組前で回る古閑美保は、「15番でボードを見たとき、ミジョンが-7で、私が-4だったので、(優勝には)足りないなと思った」という。それでも、17番で3m、18番でも1.5mのバーディパットを沈め、通算6アンダーで先にホールアウトして、後続を待った。
17番でバーディを奪って通算6アンダーとした不動に対し、全はボギーを叩き通算7アンダーに後退する。迎えた18番、2人はティショットをフェアウェイに置いた。先に第2打を打った不動は、残り155ヤードを6Iでピン上1mにぴたりとつけるスーパーショット。続く全は、グリーン右のバンカーに入れてしまう。3打目をホームランして奥のラフに外し、アプローチは寄らずに6mを2パットのダブルボギー。全は通算5アンダーでホールアウトし、優勝の可能性は無くなった。
勝負の行方は不動のパットに託された。奥から手前に掛けて傾斜のきつい18番グリーン。ピン左上1mにつけた不動のパットは決して易しいものではない。同組の全のドタバタを「自分がやっているような心境で、ドキドキした」という不動は、このファーストパットが右カップに蹴られて、下1mまで行ってしまう。入れればプレーオフの返しのパットは1m。「下からだから切れないと思ったけど、切れました」と、これもカップ左に外してしまう。この瞬間、古閑の逆転優勝が決まった。
同時に、単独10位でホールアウトしていた李知姫の獲得賞金を120万1351円上回った古閑は、初の賞金女王のタイトルも獲得。「今日は奇跡的な感じ。何か違う力が働いた」と神懸り的なタイトル奪取に、古閑本人も驚きを隠さなかった。清元登子門下生として、不動、大山に続いて3人目の賞金女王となった古閑。「先生にならったら、みんな女王になれるんじゃないかな」と、師匠を立てる事も忘れなかった。