スコアを4つ伸ばした手嶋多一が混戦を抜け出した
国内男子ツアー「日本オープンゴルフ選手権競技」の3日目。各選手ボギーを打たないようにスコアメイクする展開でこの日も大きく伸ばす選手はいなかったが、順位はホール数を追うごとに入れ替わりが激しくなった。
前日単独首位に立ったベテランの白浜育男は、スタートから落ち着いたプレーぶりで、2番、そして4番パー3をバーディとし7アンダーまで伸ばした。しかし、13番パー5の第3打をグリーン右奥のバンカーへ。ボールは奥のアゴに近く、ピン方向には打てない状況となった。そこから2打でピン1メートルまで寄せたが、ボギーパットが入らず痛恨のダブルボギー。その後も再三のピンチに見舞われたが、2ボギーに抑え、3アンダー3位となっている。
変わって首位に立ったのは2アンダー7位からスタートした手嶋多一。こちらも前半2アンダーで後半に入ったのだが、11番でピン1メートルにつけるショットでバーディ。12番パー3でボギーを叩くが、13、14番は連続でバーディを奪った。16番ではセカンドショットがグリーンの縁に止まり、悩んだ末にパターのトウ(先端)をまるでゲートボールのような打ち方を見せた。
「4番ウッドで打とうか、とも思ったんですけど・・・普通に打ったほうが良かったかも知れません。初めてやってみましたが、打った後ちょっと後悔しました」
グリーンの傾斜がキツく、ピンを僅かにオーバーすると反対側の縁まで転がってしまった。結局このホールをボギーにしてしまったが、最終18番はピン手前2メートルにつけ、バーディを奪った。この日のベストスコア67をマークし6アンダー、2位に2ストロークのリードを奪い、ツアー2勝目、初のメジャータイトルに向け最終日を迎える。
4アンダーの単独2位には友利勝良がつけている。ティショットがラフに行く場面が多く見られたが、欧州ツアーで鍛えたショットでピンチを切り抜けた。スタートの1番でバーディを奪い、前半の1アンダーを後半も守り続けた友利が最終日も粘りのゴルフを見せることができるか。
白浜と同じ3位にはこの3日間全て70、1アンダーづつスコアを伸ばして来た深堀圭一郎がいる。2アンダーの5位グループは伊沢利光、片山晋呉、宮本勝昌、そしてアマチュアの宮里優作といった豪華な顔ぶれが並んでいる。
73、70、68とスコアを伸ばして来た宮里は、「ローアマとかは考えず、優勝争いに加われるように頑張ります」66回を数える日本オープンの初回に優勝した赤星六郎に次ぐアマチュア優勝を狙っている。
最終日は前半にスコアを伸ばした選手が有利になるが、もつれれば終盤のホールで息詰まる優勝争いが展開されそうだ。