難コンディションはお手のもの!平塚哲二が首位浮上
◇国内男子◇日本オープンゴルフ選手権 2日目◇那覇ゴルフ倶楽部(沖縄)◇7,176ヤード(パー71)◇ギャラリー数 2,930人
週末にかけて台風が接近している沖縄県。大会2日目も、初日と同様に強い風が吹き、深く難しいティフトン芝で覆われたコースを攻略するのは至難の業となった。
そんな中で力を発揮したのは、アジアンツアー、欧州ツアーでも戦う平塚哲二。6バーディ5ボギーの「70」とスコアを伸ばして、通算1オーバー。「(こんなコンディションに)慣れはないけど、経験はあります」と2位に3打差をつけて単独首位で決勝ラウンドへと駒を進めた。
平塚に続き、単独2位につけるのは通算4オーバーの小田孔明。通算5オーバーの3位タイに、地元沖縄の宮里優作の他、中嶋常幸、藤田寛之、久保谷健一、佐藤信人、I.J.ジャンと実力者が並んでいる。
前週優勝の池田勇太は通算8オーバーの16位タイ、石川遼は通算12オーバーの53位タイで決勝ラウンド進出を決めている。
<海外経験豊富な平塚哲二 2本のサンドウェッジで難コース攻略>
初日に続いて強風が吹き荒れ、午後には冷たい小雨もコースに落ちた。コンディションのタフさは増すばかり。だがそんな状況下でも、平塚はバーディを量産するプレーを展開した。アウトから出ると2番(パー5)でバーディを先行。ショットへの不安は依然として消えないが「パットの調子がものすごく良い。今日は4、5メートルに付けられたらチャンスになる」と攻めることを恐れなかった。選手たちの“合言葉”が「我慢」の日本オープンだが、6バーディ、5ボギーの「70」という出入りの激しいラウンドで、後続に3打差を付けて単独首位に立った。
プレーヤーが嘆く、長いティフトン芝、そして沖縄の強風。だがそれらは、欧州ツアー、アジアンツアーでの経験が豊富な平塚の強さを光らせるばかりだ。「(国や地域によっては)これくらいの風やグリーンの硬さは普通。ヨーロッパの選手たちなら、普通にプレーしているはず。向こうなら、このくらいのスコアじゃ優勝争いできていない」と言い切る。予選2日間は同県出身の友利勝良、比嘉一貴とラウンド。「友利さんはアプローチが滅茶苦茶うまかった。比嘉君も他の高校生にはできないようなアプローチをしていた。慣れって大事」と感嘆の声を上げた。その一方で「自分も海外に行って、知らず知らずのうちに(環境に)慣れているのかもしれない」と少なからず自信もある。
もちろん、精神面だけで優位に立てるほど“日本一決定戦”は甘くない。平塚は今大会、キャディバッグから5番ウッドを抜き、サンドウェッジを1本増やした。主にフェアウェイで握るロフト角59度と、この絡みつくラフからのアプローチの際に威力を発揮する、バウンス多めのロフト60度の2本構成。海外の難コースを攻略するときのクラブセッティングだ。大会前の練習ラウンドを経て、急きょ自宅から空輸してもらった。手元に届いたのは開幕2日前の夕方。その対策も見事に結果につながっている。
ツアー通算6勝の“鉄人”も、国内メジャー制覇は2003年の「ゴルフ日本シリーズJTカップ」だけ。もちろん日本オープンのタイトルにも相応しい選手の一人だ。「あまり意識したくないが、これだけ風が吹いてくれれば、アプローチ、パット勝負になる。(今季は)調子が良くないから慣れている」と、さらなる過酷な条件化での戦いも歓迎。「ボギーの数を減らして、今日みたいなゴルフができれば」と意気込んだ。