16歳の伊藤誠道、史上2人目の高校生Vに王手!
北海道の札幌ゴルフ倶楽部輪厚コースで開催されている、国内男子ツアーの第15戦「ANAオープンゴルフトーナメント」の3日目。単独首位からスタートした16歳のアマチュア伊藤誠道(杉並学院高1年)が3つ伸ばし、通算12アンダーでホールアウト。カート・バーンズ(オーストラリア)と並び、首位タイで最終日を迎える。1973年のツアー施行後では倉本昌弘(1980年)、石川遼(2007年)に次ぐ3人目のアマチュア優勝、そして石川に続く2人目の高校生優勝に王手をかけた。
通算11アンダーの単独3位には小田孔明。通算10アンダーの4位タイに片山晋呉と松村道央。通算9アンダーの単独6位に上井邦浩、通算8アンダーの7位タイに近藤共弘、谷口徹、平塚哲二ら5人が続く。大会連覇がかかる池田勇太は、通算6アンダーの13位としている。
<偉業達成なるか?16歳の伊藤誠道が首位キープ!>
1999年のJGTO創設以降、アマチュアとして首位で決勝ラウンドを迎えたのは伊藤が初めて。最終組からトーナメントをリードしてスタートした伊藤は、1番で幸先良くバーディ発進としたが、「試合でおはようバーディを獲ると、良いことないんです」と逆に気を引き締めていた。
その不安は的中する。5番(パー5)で2オンに成功したものの3パットでバーディを逃すと、7番ではグリーン手前のラフから寄せきれずに今大会初のボギーを叩いてしまう。続く8番(パー3)ではティショットを手前に外し、アプローチも2mと寄せきれない。しかし、このパーパットをしぶとく沈めると、流れは再び伊藤の方に傾き始めた。
12番(パー5)、13番で連続バーディ。16番では15mの長いバーディパットを沈めて右手の拳を突き上げた。この日「69」と3日間続けて60台をマークして通算12アンダーとした伊藤が、首位タイをキープして最終日へと挑む。
<飛ばし屋のカート・バーンズが首位に並ぶ>
3日間の平均ドライビングティスタンスは決勝ラウンドに進出した71人中で4番目。首位の伊藤を20ヤード以上も上回るカート・バーンズ(オーストラリア)が、1イーグル5バーディ2ボギーの「67」で逃げる伊藤を捉えた。
「このコースのパー5はすごく自分に合っている」と、この日は4つのパー5で5アンダーを荒稼ぎ。「自分のゴルフに集中すること。自信はある。何が起きるか、楽しみだね」とツアー初優勝に向け、初めての首位タイ、初めての最終組で最終日を迎える。
<小田孔明が1打差3位、松村道央は伸ばしきれず>
最終組で回った小田、松村の2人は、アマチュアの伊藤との差を詰めることができなかった。5番でイーグルを奪うなど、一時は単独首位に立った小田だったが、「最後はドライバーがチーピンばかりで悔やまれる」と、14番以降にバーディを奪えず通算11アンダー、首位と1打差の3位でホールアウト。一方の松村は3バーディ1ボギーの「70」と、スコアを伸ばす上位勢の中にあってはバーディ数が少なく、通算10アンダーの4位タイグループへと順位を落とした。