遼、思い出の地でメジャー初Vへ
国内男子ツアーの今季メジャー初戦「日本プロゴルフ選手権大会 日清カップヌードル杯」は10日(木)から13日(日)の4日間、栃木県の烏山城カントリークラブで開催される。石川遼は開幕前日の9日(水)、練習日ながら4000人を越えるギャラリーに見守られながら、最終調整に勤しんだ。
今季は4月の「マスターズ」までの米国遠征を終えてから、トーナメントごと、ラウンドごとに何度となく使用パターを変更してきた石川。国内ツアー4戦目となる今大会は前週のツアー外競技「ザ・レジェンド・チャリティプロアマ」に引き続き、ピン型のモデルを持つ見込みだが、事前のラウンドではクロスハンドで練習を重ねた。
試合での握りは当日の感覚で決めるが、手首の余計な動きの矯正に自信。懸念される距離感についても好感触を掴みはじめたところ。ドライバーを第一とした“ショット偏重”ともいえる鍛錬を続けてきたが「自分のゴルフゲームの中で、一番“伸びしろ”があるのがパットだと思う。逆に言えば、一番下手だというところ」とグリーン上での戦いにも比重をシフトしてきた。
開催コースの烏山城カントリークラブは、石川のゴルフ人生とは切り離せない地だ。小学生当時、ゴルフ少年たちを快く受け入れてくれたコースは数えるほどしかなかった。埼玉県で生まれ育った石川が、足しげく通ったのが茨城県の、しもふさカントリークラブ、古河ゴルフリンクス、そしてこの烏山城だ。ジュニア時代に同コースで重ねた勝利は通算で「5、6勝」だという。
本格的なラウンドは高校一年時以来となる。それでも「グリーンが頭に入っているのが大きい」とニヤリ。面が大きくうねる砲台グリーンが選手たちを悩ませるが、アップダウンの多いコースで、瞬時にショットの落としどころを判断できる。
「各選手、(ホールを)上から見た絵を描きやすいコースがある。僕にとっては、それが富士桜(フジサンケイクラシック会場)や御殿場(太平洋クラブ御殿場コース/三井住友VISA太平洋マスターズ会場)なんです」と得意コースを例に挙げて自信を語る。狙うはもちろんメジャー初勝利、そして通算10勝目。節目の一勝を、自身のルーツのひとつといえる場所で掴みたい。(栃木県那須烏山市/桂川洋一)