2011年 WGC キャデラック選手権

石川遼、最終18番で劇的パーセーブ!

2011/03/13 10:22
18番パー4。見事なパーセーブに石川も、スタンドのギャラリーも大興奮!

フロリダ州ゴルフリゾート&スパで行われている今季のWGC(世界ゴルフ選手権)第2戦「WGC キャデラック選手権」は12日(土)、第3ラウンドを行い、3アンダーの19位タイで出た石川遼は3バーディ、1ボギーの「70」で回り、通算5アンダーとして16位タイに浮上した。

この日は前半アウトの9ホールで3バーディ、1ボギーとスコアを伸ばしたが、ゴルフ自体は我慢、我慢の展開。1番(パー5)を確実にバーディとすると、2番ではショットが乱れ、なんとか3メートルのボギーパットを沈める。続く3番はドライバーでのティショットを池に入れるが、パターで8メートルを決めてパーセーブした。

息切れしそうな出だし以降も耐えた。ティショットをピン左上3メートルにつけた4番(パー3)、4メートルを沈めた7番でバーディを奪って“貯金”を作ると、その後もピンチをショートゲームでしのぎ、後半はパーを並べた。

そして米国男子ツアーが誇る名物ホールで石川が舞った。「TPCブルーモンスター・アット・ドラール」の最終18番パー4(467ヤード)。しかしドライバーでの第1打はグリーンまで続く左サイドの池に打ち込んでしまう。フェアウェイにドロップした第3打はピンまで残り228ヤード。2番アイアンでのショットはピン左奥10メートルに着弾した。

スタンドの視線を一身に集める中、パーパット。強めのストロークで下りのスライスラインに乗せると、ボールは糸を引くようにカップへと向かい、勢いよく吸い込まれた。体を反転させながら力強くガッツポーズ! 「どんな力が働いたのかわからないパーパット」と石川。同組のポール・ケーシーが「入っていなかったら、池までいって『7打』叩いていたかもね」と言うほどの強気な一打は、大ギャラリーの、叫びにも似た歓声を呼んだ。

「本当にきょうは気持ちでプレーした。3日目にこれだけ精神力を使うラウンドが最後までできたことは、正直自分でもびっくりした。今までなら18番で池に入れて力尽きている」と疲労感の中に、確かな手応えがあった。首位とは8打差となったが「トップ10に入るためには、トータル2ケタアンダーは必要。まずは4バーディ以上を目指したい。今、こういう目標が言えるくらいのいい状態です」と自信を持って最終日を迎える。

2011年 WGC キャデラック選手権