インド若手2人の一騎打ち 川村昌弘は22位
「いま僕はココにいます」Vol.9 ベトナム編
人は彼のことを“旅人ゴルファー”と呼ぶ。川村昌弘・23歳。2012年のプロデビューから5年間で巡った国の数は20以上。活躍の場は日本だけでなく、ユーラシア大陸全土、そのまた海の向こうにも及ぶ。世界を旅することこそが、幼い頃からの夢だった。傍らにはキャディバッグと小さなスーツケース。ゴルフで旅する渡り鳥の経路を追っていこう。
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プロゴルファーの川村昌弘です。
いま僕は、ハノイにいます。
今月中旬にアジアでのシーズン序盤戦に一区切りをつけ、4月の国内ツアー「東建ホームメイトカップ」まで自主トレ中…。先日訪れたネパールのカトマンズからベトナムに飛び、旅人ゴルファーの先輩、塚田好宣プロと“ミニ合宿”を行いました。
同じベトナムでもホーチミンとは違い、ハノイの3月は天気があまりよくありません。ただ、気温が20度台で涼しくゴルフに打ち込めるのはいいところ。ちなみにラウンドを終えた夜にラオス・ビエンチャンまで足を延ばし、翌日ラオカントリークラブというゴルフ場でもラウンドしてきました。ラオスの首都ビエンチャンは、意外と閑散としていてビックリ。“タイの田舎”といった印象で、食事もガバオライスのように他の東南アジアの国の食べ物が混在しているんですね。
塚田さんは昨年、日本ツアーの下部チャレンジツアーで賞金王に輝きました。47歳で賞金王…。「この記録は絶対に抜かれないですよね」って話すんです。40歳を過ぎても下部ツアーから這い上がろうとするモチベーション、その状況も楽しむメンタリティを本当に尊敬します。去年、今まで出たことのなかった試合会場の土地を訪ねて「ふらっと入った小料理屋が“当たり”だったり、その近くのバーも良かったり。メチャクチャ楽しかった」と振り返られていました。今回ラオスからタイ・バンコクに向かった後、塚田さんはタイの国内ツアーに出場したんですよ。あのエネルギーはやっぱりすごいと思います。
そして、谷原秀人さんがやりました!! 「WGCデルテクノロジーズマッチプレー」で4位に入って「マスターズ」へ!! 2月のオーストラリア「ISPS HANDA ワールドスーパー6パース」で一緒だったので、本当にうれしかったです。最後まで可能性を捨てずに戦い抜いたことに感動しました。
パースで谷原さんから学んだのは“切り替え”の大切さ。谷原さんはオフなどに1週間、ゴルフから離れることもあるそうです。僕は常にクラブを握るタイプなので、調子が上向かない時、どこがズレているか分からないまま試合に出続けていることがあります。僕がキャディバッグを持たずに、3月初旬にカンボジアへ一人旅に出たのは「仕事も趣味もゴルフというのは危ない時もあるよ」とアドバイスを頂いたのがきっかけでした。
塚田さん、谷原さん。日本の先輩に海外で刺激を受けて帰国するのは、なんだか不思議な感じ(笑)。もうすぐ再開する日本ツアーにしっかり備えたいと思います。
<今週のブレックファースト>
ベトナム・ハノイでは朝食からやっぱりフォー。塚田さんと一緒です。牛肉をのせたフォーボーは50000ドン(約242円)でした。
- 川村昌弘Masahiro Kawamura
- 1993年6月25日・三重県生まれ。5歳の時に父と一緒にゴルフを始め、小学生時代には全国大会の常連選手に。ジョーダン・スピースやジャスティン・トーマスらと出場したフランスでのジュニア大会をきっかけに将来の海外転戦を夢見る。高校卒業後にプロ転向し、2013年に20歳で出場した日本&アジアン共同主管大会「アジアパシフィックパナソニックオープン」でツアー初優勝を飾り、海外進出の足がかりを得た。
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