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全米オープン
期間:06/15~06/18  場所: エリンヒルズ(ウィスコンシン州)

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日本人メジャー制覇を阻んだ男・ケプカの安定感と勝負強さ

後続に4打差をつけて、メジャー初優勝を飾 後続に4打差をつけて、メジャー初優勝を飾ったブルックス・ケプカ

◇海外メジャー第2戦◇全米オープン◇エリンヒルズ(ウィスコンシン州)◇7741yd(パー72)

松山英樹選手の日本勢37年ぶり2位という快挙で盛り上がった今年の全米オープン。松山選手の活躍で忘れがちですが、もうひとりの主役をここで紹介しておきます。

鮮やかな逆転劇で見事メジャー制覇を成し遂げたブルックス・ケプカです。そもそも世界ランキング22位と実力はあったケプカですが、PGAツアー1勝の彼がなぜメジャータイトルを獲得できたのでしょうか。

今年の全米オープンは、4日間通してあまり風に影響されませんでした。これによって、スコアをどこまで伸ばせるか。プレーヤーの調子次第で決まる大会となったわけです。

それを裏付けるのが、世界ランキング1位から3位までがそろって予選落ちした事実。実は、条件がやさしくなればなるほど、“実力”よりもそのときの“調子”が大きく結果を左右するものなのです。風もなくタフではない状況であったからこそ、ケプカの好調さが勝因になりました。

では、ケプカとはもともとどういった選手なのか。スタッツを見ると、すべてにおいて穴がないオールラウンダーです。特にドライバーとパターがうまい印象。ゴルフファンの間ではその名は知れわたっていましたが、ダスティン・ジョンソンの飛距離やジョーダン・スピースのパッティングほど飛び抜けたものがなく、陰に潜んでいた存在と言えると思います。

目立ってきたのは、今年3月の「WGCデルテクノロジーズ マッチプレー」辺りから。彼のドライバーとパットの安定感には目を見張るものがありました。ドライバーは飛んでいて曲がらず、パットはしっかり決めてくるといった印象。

彼の強さは、最終日のプレーを見るだけでも垣間見られます。松山選手の猛追を突き放せたひとつの要因は、ショットの安定感。ほとんどのホールをパーオンさせている結果を見れば、トップを守り続けられたのもうなずけます。もうひとつは、しっかり勝負どころで決めたパット。特に13番のパーパットと15番のバーディパットは圧巻でした。

こう見ると、ケプカの優勝は決して伏兵の奇跡のそれではなく、メジャー覇者として十分の実力を持ちあわせた結果と言えるのです。今後、松山選手は今回の結果に満足することなく、さらなる高みへ登っていくと思います。いつか頂点に立ったとき、この全米オープンでの躍進と、ケプカが一度立ちはだかったことが大きな意味を持ってくると思うのです。(解説・佐藤信人)

佐藤信人(さとう のぶひと)
1970年生まれ。ツアー通算9勝。千葉・薬園台高校卒業後、米国に渡り、陸軍士官学校を経てネバダ州立大学へ。93年に帰国してプロテストに一発合格。97年の「JCBクラシック仙台」で初優勝した。勝負強いパッティングを武器に2000年、02年と賞金王を争い、04年には欧州ツアーにも挑戦したが、その後はパッティングイップスに苦しんだ。11年の「日本オープン」では見事なカムバックで単独3位。近年はゴルフネットワークをはじめ、ゴルフ中継の解説者として活躍し、リオ五輪でも解説を務めた。16年から日本ゴルフツアー機構理事としてトーナメントセッティングにも携わる。

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