1997年 全米プロゴルフ選手権

ジョン・デイリー、4アンダーで首位へ。丸山茂樹、惜しい 2アンダー4位発進!

1997/08/15 09:00

リードを奪ったのはなんとジョン・デイリー。初めて脚光をあびたあの全米オープンをほうふつとさせるようなゴルフだった。ドライバーをほとんど使うことなく、手堅くグリーンを攻めての4アンダー。
こころなしか、細くなったように見える。「ダイエットしたんだ」と言う。酒もやめた、タバコもやめた。暴れん坊のデイリーではなく、優等生になってしまったのだという。このところダーティイメージが強かったデイリー。もし復活するとしたら、こんなに素晴らしい舞台はない。全米オープンで誕生し、全米プロで再生する?

前週のビュイックで2位と好調なフィニッシュだった尾崎直道だが、「このコースはラフが池に見えるよ」と言う。池? ウィングドフットのラフは、ただのラフと思ってはいけないというのだ。ラフではなく、ウォーターハザード。入れてしまったら、完全にワンペナルティ。池のなかの回廊を狙うつもりでショットしなければならない。
そんなに長いラフというわけではない。しかし、粘る。無理をししてグリーンを狙おうなどとすると、ひどい目にあってしまう。手堅く脱出をはかるしかない。明日もまた4アンダーが続けて出るなどとは期待しないが、しかしちょっと油断すると上位はすぐ入れ代わるだろう。デイリーもこの調子をいつまで持続できるか。明日が勝負。

グリーンはそんなに固くない。しかしうねりがある。小さい。周囲のバンカーもよく効いている。フェアウェイからきっちりしたボールを打てば止まるだろうが、ラフからではまず無理。オーソドックスなゴルフが通用するコース。ピート・ダイ設計のような、サディスティックなコースではなく、伝統的なコースだ。パー70とはいえ、距離は7000ヤードもないのだから、決してアンダーの出ないコースではないと思う。

丸山茂樹が自信をつけている。一時は2位にまで上がったのだが、結局は4位グループ。しかし出だしとしては絶好。明日以降が楽しみだ。
タイガー・ウッズは連続バーディの前半で3アンダー。しかし難しいインコースの12番ロングホールでまたもやつかまってまった。ダブルボギー。結局はイーブンパー。良くはないものの、しかしこれはまずまずというべきだろう。調子にのってどんどんバーディを取っていけるコースではないのだから、明日、明後日とスコアを積み重ねていくしかない。
さぁ、明日は楽しみな選手が3人。デイリー、丸山茂樹、ウッズ。どれも面白い。ノーマンもいいところに付けている。今年の全米プロはエキサイティングだ。

1997年 全米プロゴルフ選手権