2002年 ザ・ツアー選手権

ビジェイ・シンが2位に2打差で快勝!期待のタイガーチャージは見られなかった。

2002/11/04 09:00
3打のリード持ったシンは危なげなく逃げ切った

2位に3打差で最終日を迎えたビジェイ・シンが逃げ切り優勝。最後までシンに追いつく可能性にしがみついたのは、タイガー・ウッズでもフィル・ミケルソンでもなく、若手のチャールズ・ハウエルだった。

9アンダーでスタートしたシンは、1番ホールをボギーで発進。シンとともに最終組で回るハウエルも4番でボギーを喫した。そのころから勢いを見せ始めたのは、デービス・ラブとジェリー・ケリーだった。ラブは5番ホールから6つのバーディを奪い、13番でボギーを叩いたものの、今日5アンダー65、トータル5アンダー5位タイでフィニッシュした。3アンダーからスタートしたケリーは前半2バーディ、後半に入ると11番パー3ではホールインワン。この時点で首位を走るシンに1打差まで詰め寄ったのだが、負けずにスコアを伸ばすシンには結局追いつけず、ケリーは単独4位となった。

好調のハウエルは来年メジャーも狙える存在になる

シンの快進撃はエンジンがかかるのが遅かった。9番で今日初めてのバーディを決めたシンは、続く10番、11番でも連続バーディで11アンダーへ。そんなシンに刺激されたのか、ハウエルも12番でバーディ、13番では「113YはSWでパーフェクトな距離だった」というセカンドショットを直接カップインさせ、イーグル。これで、シンとハウエルとの差はスタート時と同じ3打差に戻った。15番パー5は、2人とも2オン2パットのバーディ。3ホールを残して3打差という状況で迎えた16番はともにパー。この時点で、シンの優勝がほぼ確定した。続く17番でハウエルは意地のバーディを奪ったが、結局、今日3アンダー67で回ったシンがトータル12アンダーで優勝。今日66と大健闘したハウエルはトータル10アンダーで単独2位に終わった。

「今年の始めに、今年は何でもいいから優勝したいと思い、1勝(シェルヒューストンオープン)はできたけど、もう1勝したいと願いながら必死に練習してきた。その努力がシーズンの最後の最後で報われた。この大会はベストプレーヤーばかりが集まっている。そこで優勝できたことを誇りに思います」と語ったシンは、笑い声がところどころでひっくり返るほどの上機嫌。必死にやってきたという練習は、毎日ショットが2時間、ショートゲームが2時間、パットも数分間やった上で、ホテルの部屋でもパットを繰り返すという内容だったそうだ。「シーズンオフが楽しみだ。オフのうちにもっともっと体を鍛えて、もっと強くなりたい」とさらなる意欲を見せるシンは、来年40歳。「40歳で引退やシニア入りを考える人もいるけど、私はまだまだがんばりたい」と付け加えた。

最終日を3位タイで迎えた大物3人は目立った活躍を見せず終いになった。デビッド・トムズは今日67、トータル7アンダーで単独3位。フィル・ミケルソンは1バーディ、ノーボギーの単調なラウンドに終始し、トータル5アンダーでラブと並ぶ5位タイ。期待のタイガーチャージは残念ながら見られず、イーストレイクGCを訪れた大勢のギャラリーも落胆気味だった。出だしからダブルボギーを叩いたタイガーは、その後も4バーディ、2ボギー。終わってみれば今日イーブンパーという平凡なスコアでトータル4アンダー、7位タイどまりとなった。

最終ホールでバーディを奪いマルちゃんスマイルが出た

丸山茂樹はフェアウエイもグリーンも外さないステディなゴルフながら、決め手のバーディパットが入らないという流れで、1番から7番まですべてパー。やっと来た8番、9番の2連続バーディで気持ちよく後半へ折り返したが、再びパーが続く流れになった。唯一のミスらしいミスは17番パー3。ティショットが大きくグリーンオーバーし、そこからの寄せがエッジでストップ。このホールをボギーとしたものの、18番パー3はピン右上からの3メートルを見事に沈め、バーディで締めくくった。1オーバーからスタートした丸山は、今日2アンダー68、トータル1アンダー13位タイで終了した。

「17番は距離のミスだった。いいショットが打てて、バーディが来たかなと思ったんだけど‥‥あの一発以外は自分なりのゴルフができたかなと思います。シーズンの最後をいいバーディで締めくくれてよかった。来年のメルセデスは健康状態抜群で臨みたい。でも、日本人で初めてツアー2勝を挙げ、ツアーチャンピオンシップに出て、賞金ランクも上位に入れて、今年はグッドイヤーでした」。

一旦、ロスアンゼルスの自宅へ戻り、MRIを受けるかもしれないという丸山。結果次第では、ガングリオンと呼ばれる脂肪の固まりの切除手術もありえるそうだが、もし手術となると、来季開幕戦メルセデスの出場は難しくなりそうだと言う。いずれにせよ、日本の大会、ワールドカップ、来季のキックオフ戦、すべての出場は今後の検査結果次第ということだが、1日も早く元気なマルに戻ってほしいものだ。

レポート&写真:BEYONDSHIP

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