2002年 ジェニュイティ選手権

エルスが、タイガーの呪縛から逃げ切った

2002/03/04 09:00

フロリダシリーズの第一弾「ジェニュイティ選手権」は、2日目に首位に立ったE.エルスが、3日目に大きくスコアを伸ばし楽勝かと思われた。しかし、エルスの天敵タイガー・ウッズが背後に迫る好ゲームとなった。

17アンダー、2位のウッズに8打差でスタートしたエルス。しかし、エルスには同じ状況で苦い過去がある。4年前のジョニー・ウォーカー・クラシック(欧州ツアー)で、8打差で迎えた最終日にスコアを伸ばせずウッズに逆転されているのだ。

その後、2000年には開幕戦のメルセデス選手権で、歴史的な死闘の末やはりウッズに負けた。そしてこの年、メモリアルトーナメント、全米オープン、全英オープンと全てウッズに敗れ2位になってしまった。

しかし、この日のエルスは以前のエルスではなかった。ウッズがバーディを奪おうと、われ関せずといった表情で自分のプレーに集中し続けた。幸い同じ組でなかったこともあるが、途中1打差まで詰められた時も冷静にバーディを奪った。

1番バーディの後は2番でボギーを叩き、6番でもスコアを落としたエルスだが、12番パー5でバーディを奪ってから表情も和らいだ。15、16、17とバーディチャンスを逃したが、最終18番は落ち着いてパーセーブしツアー通算9勝目を上げた。

優勝はエルスなのだが、この日の主役はやはりウッズだった。1番から3連続バーディ、9、10番でもバーディを奪いその差はあっという間に2つになった。いよいよ射程圏かと周囲も盛り上がったが、あと一歩及ばなかった。今シーズン初めて優勝争いに絡んできたのだが、いよいよマスターズに向け本格的に始動といった感じか。

日本勢で唯一決勝ラウンドに残った丸山茂樹は、12番パー5でこの日4つ目のバーディを奪い5アンダーまで伸ばしたが、14、15番の連続ボギーで3アンダー、24位で競技を終えている。

2002年 ジェニュイティ選手権