ミケルソン、4度目のグリーンジャケットへ向け2位浮上
◇米国男子◇マスターズ 3日目◇オーガスタナショナルGC(ジョージア州)◇7,435ヤード(パー72)
ムービングサタデーを迎えた「マスターズ」3日目、好プレーを見せる選手たちにパトロンのテンションもヒートアップ。晴天に恵まれ、コース内の各所から大歓声の上がる「マスターズ」らしい土曜日となった。
最終日へ向け単独首位に立ったのは、この日ベストスコアとなる「65」をマークしたスウェーデンのピーター・ハンソン。1番をボギー発進としたが、その後に8バーディを奪い返して首位浮上。2度目の挑戦で初の予選通過を果たし、その勢いのまま頂点を目指す。
通算8アンダー、1打差の2位につけたのはこの日6つスコアを伸ばした過去3度優勝のフィル・ミケルソン。4度目の優勝を飾れば、歴代優勝回数でアーノルド・パーマー、タイガー・ウッズに並ぶ2位タイとなる。続く通算7アンダーの3位には、2010年の全英オープンチャンピオン、ルイ・ウーストハイゼン(南アフリカ)がつけている。
この日首位タイからスタートしたフレッド・カプルスは、3つスコアを落として通算2アンダーの11位タイへと後退。2年連続の予選通過を果たしたアマチュアの松山英樹は、この日「72」で回って通算1オーバーの27位タイ。2年連続のローアマチュアへ前進するとともに、目標とする翌年の出場権が得られる16位タイ以内を視野に入れている。
<スーパーショット連発!ミケルソンが魅せた>
大会初日、10番で紛失球からトリプルボギーを叩いたミケルソンはその時点で通算4オーバー。一時は予選落ちさえちらついたが「74」で踏みとどまると、その後の2日間であれよあれよという間に首位と1打差の2位へと浮上。「木曜日に耐えられたことが一番大きかった」と振り返った。
2日目に「68」で巻き返したミケルソンは、3日目はスーパーショットのオンパレード。2番でラフからの直ドラでパーセーブに成功すると、後半にそのギアをトップに入れた。まずは10番でピン下2mを沈めてバーディ奪取。12番では上から5m、そして2オンに成功した13番では「長年あのパットを打っているので、右に曲がるのは分かっていた」と、5mのイーグルパットを沈めて力強いガッツポーズを見せる。「今がキャリアの中で一番パットがいい」とグリーン上で躍動するミケルソン。
15番パー5では2打目をグリーン奥に外したが、そこから空高く打ち上げるロブショットでピンそば1.5mにつけてバーディを奪い、パトロンたちの度肝を抜く。最終18番では右ラフからの2打目を、前方の木を避ける大きなドローボールでグリーンを捉え、さらに4mのバーディパットも沈めて、パトロンたちからスタンディングオベーションの喝采を浴びた。明日は最終組に入ったミケルソン。2010年以来となる4度目のグリーンジャケット獲得へ、最高の流れで挑む。