石川遼、トップに1打差!米ツアー史上2番目の年少優勝なるか
オハイオ州のファイヤーストーンCCで開催されている、WGC(世界ゴルフ選手権)の今季第3戦「WGC ブリヂストンインビテーショナル」の3日目。首位と3打差の10位タイで迎えた石川遼が、6バーディ、ノーボギーの猛チャージ。通算11アンダーでホールアウトし、首位のアダム・スコット(オーストラリア)と1打差の2位タイに浮上。米ツアー初制覇に向けて最終日に逆転優勝を狙う。
終盤は一時10アンダーで6人が並ぶ大混戦となったが、石川が17番でバーディを奪い一歩抜け出す。しかし、予選2日間首位をキープしていたスコットが14番から3連続バーディを奪い、通算12アンダーまでスコアを伸ばした。石川と並び2位タイにはオーストラリアのジェイソン・デイがつけている。
通算10アンダー4位には、キーガン・ブラッドリー、マーティン・リード(スコットランド)の2人が並び、通算9アンダー6位タイに世界ランキング1位のルーク・ドナルド(イングランド)とフレデリック・ヤコブソン(スウェーデン)が並んでいる。
今大会で3ヶ月ぶりのツアー復帰を果たしたタイガー・ウッズは、スコアを2つ落して通算1オーバーの38位タイに後退。72位タイからスタートした池田勇太もスコアを7つ落して、通算13オーバーの75位タイとなっている。
<石川遼、米ツアー史上2番目の年少優勝記録なるか>
石川が、偉業達成へ大きなチャンスをつかんだ。2日間でマークした通算5アンダーのスコアには飽き足らず、序盤から仕掛けた。出だしの1番で9メートルを沈めてバーディ発進を決めると、前後半で3つずつのバーディを奪取。「ティショットのミスをカバーできたのは良かった。あまり堂々とはしていられない。うまくいきすぎ」と話したが、6バーディ、ボギーなしの「64」の快進撃で一時はトップに立った。
第3ラウンドを終えた時点での2位タイの順位は、海外ツアーを通じてもちろん自己最高位。逆転優勝を飾れば青木功、丸山茂樹、今田竜二に続く日本人史上4人目の米ツアー制覇となる。さらに19歳10か月21日(明日7日時点)での初勝利は、1911年に全米オープンを19歳10か月14日で制したジョニー・マクダーモットに次ぐ米ツアー史上2番目の年少記録。WGCでは1999年にこの大会を23歳7カ月30日で勝ったタイガー・ウッズを抜いて最年少となる。さらにこのWGCのビッグタイトルを手にすると、米ツアー3年シードを獲得する権利が舞い込むことになる。
「難しい初めての経験なので、どうなるか分からない。これまでの3日間以上に『練習場にいるんだ』と自分に言い聞かせたい」と話すが、その目は輝いたまま。「失うものが何もない前提でここにきているのは他の選手と違うところ」と“無欲”を最後まで最大の武器とできるだろうか。
<首位タイのアダム・スコットは後続を振り切れるか>
ムービングサタデーを8アンダーの首位タイで迎えたスコットは、4番までに2つのバーディを奪ったものの、6番、10番をボギーとして再び8アンダーに逆戻り。しかし12番で4メートルのバーディパットを沈めると、14番からは一気に3連続バーディ。3日間トップの座を守り通し「バックナインでうまく修正できて、いいプレーができた。とてもハッピーだ」と笑顔を見せた。最終組を回る石川遼とは、過去に同組でのラウンド経験もあり、2009年のプレジデンツカップではともに世界選抜で戦った。「ジェイソン(・デイ)がまた良いプレーをして、そして遼にもびっくりしている。まだ10代だろ、信じられない。彼らのような選手が出てきたことで、ゴルフは素晴らしい方向に進んでいる。遼にとっては、本当に大きいことだと思う」と賛辞の言葉を並べる。だがそこは勝負の世界。今季初勝利、そしてオーストラリア勢としてはクレイグ・パリ―、ジェフ・オギルビーに続く豪州勢3人目のWGC制覇へ向け、全力で逃げ切る。