2019年 ザ・メモリアルトーナメント

“オーガスタ12番”をさらに難しく? ニクラスが仕掛けたワナ

2019/05/30 09:06

ミュアフィールドビレッジGC 12番パー3(184yd)

池越えのショートホールはグリーンが横長の形状。トラブルを避けたい

ミュアフィールドビレッジGCはジャック・ニクラスが手掛けたコース。まさに“帝王の庭”と呼ぶにふさわしい、ツアー屈指の難度を誇ります。松山英樹選手は2013年の対抗戦「ザ・プレジデンツカップ」で初めてここを訪れ、翌14年に米ツアー初優勝。僕にとっても忘れることなどできない場所です。

特徴あるホールが続きますが、中でも難しいのが今回の12番です。4ydを打ち下ろすパー3は、「マスターズ」のアーメンコーナーでおなじみの12番(パー3)に似た形状で、さらに何倍も難しくしたかのように思えるのです。

手前に池が構えるパー3。終盤に向けたキーホールになる

ティからはずっと池。グリーンの形状は横に倒したひょうたん型で、ものすごくタテ幅が狭く、12ydほどしかありません。池を避けたいのはもちろん、奥のバンカーに入れると左足下がりのライからのショットを余儀なくされます。

それを踏まえた上で、オーガスタナショナルGCの12番よりも距離が50ydも長くなる。第1打を6I、7Iあたりで打つケースがほとんどで、何人もの選手が水しぶきをあげるシーンを見てきました。特にグリーン右サイドにカップが切られた日は要注意。風も舞います。前の11番(パー5)を終え、階段を上ってティエリアに立ってから、非常に緊張感のある時間が訪れます。グリーンオンしただけで、まずはホッとするのです。

そういう意味では、世界一難しいショートホールと言っても過言ではないかも…。グリーンオンした選手には大きな拍手を送っていただきたいと思います。

タテ幅の狭いグリーンを攻略できるか。青印は予想ピンプレース

ミュアフィールドビレッジGCは全体的にフェアウェイが広くとられていますが、バンカーや池が、視覚的に強いプレッシャーをかけてくるため、選手やキャディの目には本来の姿よりも狭く見えます。グリーンも大きめですが、傾斜が強く、スピードとラインを合わせるのが本当に難しい。きっちり狙ったエリアに打ち込めるショットメーカーでなければ勝てないでしょう。

松山選手の初優勝からはや5年。すべてを思い出せます。最終日は終盤16番(パー3)でティショットを池に入れたり、その後、ドライバーのシャフトが折れたりと、さまざまなハプニングがありました。それでも最終18番でバーディを取り、プレーオフで優勝。…そんな話はまた次の機会に。(解説・進藤大典)

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